怖い話朱い塚-あかいつか-

矢立隧道

投稿者:くれいさん




もう4年程前になるでしょうか。

私の弟は当時都城市にいまして、学生でした。

実家に帰省している間に、80くらいのじぃさんの車に愛車をぶつけられ、

修理からあがるまえに都城に帰ってしまいました。

修理が終り、相手の保険屋と話し合いましたが、

とても都城まで陸送できないということで、

私が遊びもかねて陸送することになりました。

(もちろん日当はもらいました)

 事に引渡しも済んで代車と交換し、帰ろうかとも思いましたが時間も遅いし、

せっかく来たんだから遊んでいこうと思い、弟のアパートに泊まることにしました。

 食も食べて、暇なのでドライブでも行くか、ということになりました。

面白半分に、私が「幽霊が出るとこ連れてけよ」というと

弟はあっさりと行こうといいました。

面白半分なので車内は全然怖くない雰囲気で、

有名な(あとから知った)関の尾の滝に行きましたが、

何も見ませんでした。

見たのはこういう場所によくいる威勢のいいオニイチャンばっかりでした。

何にもでないので、最後に地元では「隧道」と呼ばれてる場所に

行ってしめようという事にしました。

何でも旧トンネルと新トンネルがあるらしく、

旧道はヤバイとのことでした。
 
さて、これから旧道という時に、旧道の入口がチェーンで封鎖されてるのが目に入り、

そこから問題のトンネルまで結構遠いということでしたので、

もう帰ろうとしました。

が、私がさっきから車の中で飲んでいたお茶が

そろそろ新陳代謝の時間を迎えており、ちょっとその辺で・・・

ということになりました。

弟は新トンネル脇の駐車スペースに車を止めて私を待っていました。

私は旧道の入り口にチェーンが張ってある所まで行き、

今思えば罰当たりなんですが、その場で用を足し始めました。

すると、道の奥の暗闇からなんか金属が触れ合うような

「チャリン チャリン・・・」という音が聞こえてきました。

怖い話が好きな私でしたが、それまでは信じているわけではなかったので

どうせ誰かのいたずらか弟の車から漏れるカーステの音だと思い、

用を足し終わったあと、

一言「ばーか」

と言ってつばを吐いて帰ってきました。

私「今、お前カーステつけとった?」

弟「いいや〜。何で?」

私「そんならアレはいたずらかな?」

弟「ん?何が?」

私「今さ、その道の奥からチャリーンって音がしてきてな・・・

ばーかって言うてきてやった」

弟「・・・・・早く帰ろうっ」

びびりまくる弟を散々馬鹿にしてついでに幽霊なんて

幻覚や幻聴だと言いたい放題言いながら、

その日はアパートに帰りました。

翌日、私は交換した代車に乗って実家へと帰りました。

家に着く前に所要を思い出し、買い物に向かいました。

いつも通いなれた道。そこには踏み切りがあります。

踏み切りの手前には5〜6台車が停車していました。

ブレーキを掛けようとした瞬間・・・・

シートが突然フリーになり、一番後ろに下がってしまいました。

停車車両はもう目の前です。

かろうじて身体が届くのはハンドルのみでしたので、

私はとっさに急ハンドルをきりました。

結果、街路樹に車がぶつかり、前部大破。

なんとか前方の車にぶつからずに済みました。

ちょうど電車が踏み切りを通っていたので、

そのまま押し出してしまっていたらと考えるとぞっとしました。

しかし、考えると変です。

なぜ今までがっちりと固定されてたシートがフリーになって

下がってしまったのでしょうか?

現場検証のとき警察官に状況説明してるときも自分でも変な話だとは思いましたが、

ありのままを話しました。

当然警察官も信じてはくれず、わき見運転ということで処理されてしまいました。

私はなんとなく薄気味悪くなってきました。

 代車を貸してくれてたお店やら保険屋やらとの話し合いも終り、

親からはこっぴどく叱られ、やっと普通の生活に戻りつつあった数日後の夜中、

異様な雰囲気で目が覚めました。

動けないのです。

それに何かちょうどコーラとかの炭酸系の泡がはじけるような

シュワーっていう感じの音がやかましいほど耳元でして、

それまでそんな経験が無かった私はパニックになりました。

親に助けを求めようにも声すら出ませんでした。

そうしてるうちに足元からじわっと重く何かがのしかかってきました。

布団を深く被って横向きで寝ていたから、足元は見えないんですが、

老女が私の上を歩いているのです。

見えないはずなのに分かるのです。

感情が全く感じられない目でじっと私を見ながらそろそろと歩いています。

私は恥ずかしい話ですが、気を失いました。

 朝起きてまず思ったのは怖い夢だったということでした。

まだ汗ばんでいる下着を替えようと脱いだ時、

やっぱりあれは夢じゃないことがわかりました。

乗られたほうの腕にあざが出来ていました。

今度こそ恐ろしくなった私は急いで弟に電話をいれました。

すると話を聞いてくれていた弟がびっくりして聴き返しました。

「俺おばあさんの話したっけ?」

実はそのトンネル付近で数年前に一人の老女が

行方不明になっているらしいのです。

そしてでるというのもそのおばあさんらしいということも聞きました。

私はそれから霊というものを少し信じるようになりました。

そして馬鹿にしてはいけないって事も。

今ではたまにですが異様な雰囲気で目が覚めることもあります。




   

宝くじ購入代行サービス

怖い話朱い塚-あかいつか-