怖い話朱い塚-あかいつか-

狭いエレベーター

投稿者:つきうらさん




定員が5〜6人用の狭いエレベーターってありますよね。

この話は 僕が実際にそんなエレベーターで体験した話なんです。

中学生の頃、友達のN君が住んでいたマンションのエレベーターなんですが、

6階建てで、結構古いマンションなんです。

当然エレベーターもずいぶん年代モノ・・というかボロイんです。

壁とか、床に傷や汚れがついてて、夜なんかに一人で乗ったりしたら、

けっこうこわいんじゃないかなー、と前から思っていました。

その日、N君の家に遊びに行っていた僕は、

N君の両親が夜遅くにならないと帰ってこないことをいいことに、

いつもならとっくに帰っている時間を過ぎても二人でゲームをやっていました。

はっと時計を見ると もう8時を過ぎているんです。

N君はもう少しいてほしそうだったんですが、僕は急いで帰ることにしました。

そのときは9月ごろで、マンションの廊下は暗〜〜くって、

天井の蛍光灯はぜんぜん足元を照らしてくれませんでした。

早足でエレベーターの所まで行き、ボタンを押しました。

そのとき、「あれ?」と思ったのは、そのエレベーターが

(B1)に止まっていたことでした。

そのマンションの地下はボイラー室とか、電気配線とかのフロアーで、

普通の住人は決して降りたりしないところなんです。

以前、N君と、肝試しに降りてみたことがありました。

というのも、そのフロアーは降りたとたんに真っ暗で。

管理人の人じゃないとどこに電気のスイッチがあるのかも分からないくらいなんです。

僕はそのとき以外で初めてその地下にエレベーターが

止まっているのを見たわけで・・・

「ああ めずらしいな・・・誰かいんのかな?」

最初はそれくらいしか思っていませんでした。

そうしてるうちにエレベーターが上がってきて、

僕は乗り込み(1F)を押しました。

ドアが閉まってだんだん降りはじめました。

N君の家のある5階から

4階

3階

2階

1階

「あれ?」

止まんないんです!

そのままエレベーターは当たり前のように

地下1階まで降りていっちゃったんです!

地下1

ガシャン・・・・・・・・・・・・・・・・

ドアが開きました。

地下一階に着いちゃったんです。

誰かいるのかな・・ってさっき思ったことは

思い違いだとそのとき分かりました。

そのフロア、やっぱり真っ暗なんです!

自分の入っているエレベーターの明かりが

フロアの床を照らして、かろうじて周りが見えるていどでした。

「うわーーなんだよ・・・なんでここにきちゃうんだよーーー」

しばらく体が固まっちゃって、動けませんでした。

ドアから少しだけ頭を出して奥の方を確かめてみましたが、やっぱり奥も真っ暗で、

ごおんごおんごおん・・・・・・・

何かの機械が動いている低い重い音だけが聞こえてきました。

ぞく・・・・

急に背筋が寒くなって頭を引っ込めました。

理由は分かんないんですが、このままここにいちゃあやばいっ、

て考えがぐるぐる頭の中を回って、

急いでもう一回(1F)のボタンを押しました。

妙に背中の壁が気になって振り向きました。

すごい胸騒ぎがするんです。

なかなかドアが閉まらないので(閉まる)ボタンをバンバン叩きました。

もうここには一秒もいたくなかったんです。

ようやくドアがゆっくり閉まりだしました。

ゆっくりに見えただけかもしれません。

そのときです。

ドアがだんだん閉まるその隙間に人影が横切ったのが見えたんです!

真っ暗のフロアを電気もつけずに・・

瞬間「あーー見ちゃった!!」って思いました。

それは暗い色のスーツを着た男でした・・・・・

エレベーターが閉まればもうあそこは本当に真っ暗なはず・・・

真っ暗の闇の中をあの(男)は歩き回ってるんだ・・ずーっと・・・・

ようやく一階で降りると、僕はそこから走って逃げました。

マンションを振り返る気にもならなかったのを覚えています。

数年たった今思い出してもぞっとする体験でした。

なぜ、あの時エレベーターは僕を(彼)に会わせたのか・・・

それとも(彼)がエレベーターを動かして何かをしようとしていたのか・・・

今もまだ あの男は闇の中を歩き回っているんじゃないのかな・・・・・・



   



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