怖い話朱い塚-あかいつか-

廃墟

投稿者:葵さん



私が学生の頃の話です。

当時、JR奈良線のある駅の近くに

廃墟がありました。

何の廃墟かは忘れてしまいましたが、

3階か4階建ての建物で寮みたいな感じでした。

見るからに老朽化が進んでおり、かなり不気味でした。

フェンスや、立入禁止の看板もなく

敷地には簡単に入る事が出来ました。

ある日の深夜に友人と入った事がありますが、

鍵が掛かっており、部屋の中へは入る事が出来ませんでした。

廃墟から出て、前の道を歩いていると、友人が

「誰かに見られている気がする」と言い出しました。

駅の近くとは言え、深夜だったので人通りも少なく、

周りは私達しかいません。

「誰もいないじゃねーか」と言うと、

「廃墟の方から視線を感じる」と言うので、

廃墟の方を見ると、最上階の一番端の部屋に

人の形をした白いモヤみたいな物が揺れてました。

怖くなり、慌てて明かりの付いてる駅まで走りました。

その事を周りの友人に話しても「見間違いだって」と言われ、

信用してくれませんでした。

後日、別の友人がその廃墟に行ったらしいです。

何故か部屋の鍵が開いており、私達が

白いモヤを見た部屋へ入ったそうです。

その部屋には、壁全体にお札が張られており、

異様な雰囲気だったと話していました。

部屋の中に入って探索していると突然、電話が鳴り、

慌てて逃げてきたらしいです。

廃墟に電気が通ってる筈もなく、電話が鳴った理由もわかりません。

その話を聞き、一気に気味悪くなった私達は

その廃墟をなるべく避けて通るようになりました。

部屋の鍵が開いていた、電気の通ってない部屋で鳴った電話。

不思議な事があるな…と思ってましたが、

もう一度行く気にはなれませんでした。

程なくして、その廃墟には立入禁止の看板とフェンスが張られ、

最後は解体されてしまいました。

その廃墟があった場所は今、ある店舗が営業しています。


   



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