怖い話朱い塚-あかいつか-

恐怖のお店5後編

投稿者:マスターさん




彼女は俺に抱きついて泣きじゃくる。

あまりの疲れに頭も撫でてやれなかったのを今でも憶えています。

暫らくするとJちゃんが目を覚ます。

「あれ〜みんな集ってなにやってんの〜私、寝ちゃってた?てへへ」

やった!元に戻ってる!この2人が来ただけで逃げたんだ!

私は思わず自分の彼女と抱き合った!

しかし、

「3人だな・・・」

お兄さんがつぶやく。

Y夫も口を開く。

「いつのまにこんなにたくさんの動物霊に取り付かれとったんや・・・」

「Y夫、やるぞ!」

突然お兄さんがJちゃんの額に手をかざす!

「何やってんのお兄ちゃん、ナンかのおまじない?」

Jちゃんがお兄さんに笑顔で話しかける、普通である。

「Y夫、もういいんじゃねえか?Jちゃん元に戻ってるぞ!」

私がそう言うとY夫は、

「まあチョット見てな・・・」

そのまま黙ってJちゃんの後頭部に手をかざした。

「も〜う2人共悪ふざけが好きなんだから、

もういいでしょ?ほら、手をどけてよ〜〜〜」

Jちゃんがしきりに手をどけてと2人に言うが、

まったく耳を貸さないY夫とお兄さん。

「もう、止めてってば〜〜ああがあがあああ」

あれ???

「止めてってゆってんだろぐあがががあああ」

いる!まだJちゃんの体の中にいる!

「このまま外に出るぞ!」

お兄さんと一緒にY夫は立ち上がり、

額と後頭部に手をかざしたままJちゃんを外に連れ出していった。

朝日が昇り始めてうっすら明るくなり始めていた庭で、

お兄さんとY夫は何かお経の様な言葉を唱え始めた。

一緒に手を合わせる俺と彼女。

30分ほど経過した時、うなり声を上げていたJちゃんが

突然崩れる様に倒れこんだ!

「これで暫らくは大丈夫だろう・・・暫らくは」

すっかり夜が明けていた。

Y夫とお兄さんは、Jちゃんを車に乗せて彼女の家に向かった。

後日Y夫に教えてもらったのだが、あの時Jちゃんには

生霊1人(彼女に告白して振られた男)と

女の霊(これが私を襲ってきたらしい)

彼女の体目当ての霊(彼女は見知らぬ男に犯される夢をよく見ていたそうです)

そして動物霊が無数に取り付いていたそうだ。

いわゆる取り付かれやすい体質で、特に酔っ払うとひどいらしい!

私の彼女はそれを知っていたのだ。

それ以降、Jちゃんに会うことは無くなりました。

その日の夜、彼女の家に行って朝帰りした事情を

彼女の母親に話し謝ったのだが信じてもらえず、

逆に自分の娘を化け物扱いしていると勘違いされ

会わせてもらえなくなりました。

今でも思い出します、お兄さんが最後に言った言葉・・

「暫らくは大丈夫だろう・・・暫らくは」

そしてJちゃんの口から出た言葉、

「いつも邪魔しやがって・・・」

今回投稿したこの話は作り話ではありません。

十数年前、本当に起きた事実です。

あの日以来、仏壇に手を合わせる事を日課にしています。

だからでしょうか?今のところ何とか生きています。

にしてもじいちゃん、あんたいったい何したんだよう。



   



怖い話朱い塚-あかいつか-