朱い塚-あかいつか-

人影

投稿者:黒いきなこ餅さん




これはあるミステリースポットを探しに行った時のお話。

1996年の夏。 知人にとあるミステリースポットの話を聞きました。

僕達は当時あちこち肝試しをしていたので早速行くことに。

メンバーは僕を含め四人。 一時間半くらい車で行ったでしょうか。

ほこらを見つけました。 行きたかったところとは違ったのですが、



このまま帰るのも もったいないので入ることにしました。

予想以上に真っ暗だったのですが、懐中電灯は一つしかありません。

僕は先頭にされました。 道が細く、隣が崖なので慎重に進みました。

真っ暗闇の中、ちょろちょろと水の流れる音だけが聞こえます。

しばらく歩くとぼんやり明かりが見えてきました。

懐中電灯の光ではありません。

僕達には人の家があるように見えました。

その明かりの中で誰かが座っているようでした。家の玄関かな?

僕達に気づいたのかその人影は立ち上がり、どこかへ行ってしまいました。

これで僕達は人の家だと判断していました。

「人ん家やん、どうする?」

「人おるみたいやね」

「帰る?」

「行ってみようや」

「でもやばいやろ」

結局行くことにしました。

進んで行くと明かりの正体がはっきりしてきました。

なんとほこらの紹介をしている看板の照明だったのです。

奥まで行きましたが人の家などありませんでした。

あったのは、ほこらと公園らしきものだけ・・・

「ねえさっきの人影・・・何やったん」

「人影?人影なんかあった?」

後方にいた二人は見ていないようでした。

「ばか!怖いこと言うな!」

全員走るようにほこらを出ました。

車に乗りこみ、即出発。

「車のあとを誰かつけて来よる」

霊感の強い友人が言いました。

その”誰か”は山を出るまでついて来ていたそうです。


   



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