朱い塚-あかいつか-

はいずるもの

投稿者:まうまうさん




私は霊感がまったくないといえるタイプなんですが、

(心霊テレビの中で、写真や映像の中に

写ってる霊が見つけられないくらい)

そんな私にもいくつか奇妙な体験があります。

一番恐かった体験を書きます。

小学生高学年くらいの時の体験です。

私は当事、4畳一間の洋室を自分の部屋にしていました。

ある夜、私はふと夜中に目を覚ましました。

親達も寝静まった後のようでしたから、

たぶん深夜…午前の時間帯くらいだったんじゃないでしょうか。

季節は寒い時期でした。ふとんを目深にかぶって寝ていましたから。

なんで目がさめたのか自分でもわからないのですが、起きてまず、

「ああ、布団の上に辞書がのってる」

と何故かふと思いました。

布団の上、ちょうど私の腹の上くらいに、

丁度A5版の厚手の辞書くらいのものがのっている重みがあるんです。

何だか、変な気分でした。

何か変なんだけど、でも何が変なのかわからない。

そういう奇妙な感覚を感じていました。

「何で布団の上に辞書があるんだ?」

とか考えてたんじゃないでしょうか。

すると突然、布団の上…つまり私の腹の上にある重みが、

ズズーッズズーッって、胸の方に向かって動いてきたんです。

眠気なんていっぺんに吹き飛びました。

全身の血がザーって頭に上がって、次に下がっていく感じ。

ウソッ! 何!? なにこれー!!って。

パニックでした。 私は猫が好きで、

よく家の中で飼ってたんですが、その時は飼ってませんでした。

飼ってたら、怖がる前にまず「あ、猫かも」って思うと思うんです。

でも飼ってなかったので、思い付きもしませんでした。

それに動きが変なんです。

猫なんかの4つ足の動物が移動するときって、

四本の足に重心がかかるでしょう?

それが交互に動く。

違うんです。

まるで手足も何もない物体が、

ただズズーッズズーッてゆっくり動いてくるみたいな感触なんです。

そんな動き方するのってヘビくらいですよ。でも長くない。

辞書くらいの一固まりでした。

そして、一旦胸の上で停止しました。

布団を目の上まで目深にかぶってますから、

目の前は掛け布団で視界遮られてて、

胸の方は見えません。何がいるかなんてわかんないんです。

よく、心霊体験の際は金縛りにあうっていいますよね。

私は金縛りの経験ってないんです。

その時も金縛りにはなってなかったんじゃないかと思うんです。

指先とか動きましたし、動こうと思えば動けたような気がします。

動けなかったかもしれないですが。

何故なら金縛り以前に、恐怖で動けなかったんです。

子供でしたし、すくんでたんですね。

私の家はクリスチャンだったので、ひたすら聖書に出て来る方の神様に

「助けて下さい、いい子になります」って祈ってました。

必死です。(こういう時って、それぞれの宗教観や

信心深さがもろに出るんじゃないでしょうか。)

そしてしばらくして、また胸の上の重みがズズーッて、

頭の方に動いてくるんですよ。

ぎゃーって思いました。 咽のあたりに来た事までは覚えてますが、

そのまま気が遠くなったみたいです。

その後の事は覚えてなくて、朝でした。

それから2、3日は両親の布団で寝ていました。

でも小学生の高学年にもなって

親と寝るのは恥ずかしいですから、また部屋で寝るようにしましたが、

また同じ事があったらどうしようかとしばらくびくびくしていました。

今だにあれは何だったんだろうかと考えます。

布団が顔の前になければ、何が見えてたんでしょうか。

見えなくて良かった気もしてます。

感触の思い出だけでも今だ恐いのに、

見えてたらもっとトラウマになってたんじゃないでしょうか。



   



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