怖い話

投稿者:あゆさん


これは、私が7歳の時に体験した話です。
その頃の母は、専業主婦で、家の掃除が終わったら、学
校から帰ってきた私と夕方まで、母の友達の家で遊んでました。
そしてそれは、そんな生活習慣によって起こったのです。
いつものように家に帰った私と母。
部屋はもう薄暗く、不気味な空気が漂っていました。
「あっ!」
突然、母が声をあげた。
「や~だ!洗濯物!」
そう言って慌てベランダに飛び出す母。
どうやら、洗濯物を取り込むのを忘れたみたいです。
「頑張れ~」
まだ幼い私には手伝う事はできません。
なので窓越しに応援です。
「あぁ…もう…。や~だ」
「あれ?」
そこで変な所に気がついたんです。
私が住むアパートはベランダからベランダへと行き来出来ないようになってるんですが…
「お母さん、お客さん、入れないの?」
「は?」
ベランダの隅っこに女が立っているのです。
黒くて長い髪。
真っ黒な服を着た女の人…。

顔は全く見えません。
「そこにいるじゃん!女の人が」
「!」
人一倍怖がりな母は、取り込むのをやめ、部屋に一目散に入った。
「ねぇってば!可哀想じゃん。部屋に入れないの?」
私は、その女の本当の存在を知らなかった。
「見ちゃいけません!」
母は私に注意をする。
「見てはいけないものなの!さぁ!」
そう言うとカーテンをしめる母。
「?」
好奇心旺盛な私はカーテンをめくって女の人を見ます。
女はこちらに向かって手を振っていました。
……私の『女の人』への記憶はそれだけです。
話はまだ終わりません。
次に女を見たのは1年後。母でした。
妹が生まれ、産婦人科を退院した母。妹と寝室で布団をして寝ていると…
「…ん。」
突然、部屋の中の空気が変わったと言うです。
ふと、目を開けると…
「!!」
あの女の人だそうです。
長い髪が顔を覆って、顔が見えなかったそうです。
「…く、苦しい…」
女は、母の首を絞めはじめました。

母も必死に抵抗しようとするが、身体が動きません。
「…?」
女が消えた。どこに行ったのか…。
目だけを動かすと、女は隣に寝ている妹を連れて行こうとしていた。
「やめて!その子を連れて行かないで!」
振り絞って出た言葉。
「…」
その言葉が効いたのか分からないが、女はそれで消えた。
そして、2度と現れることはなかった。

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