堤灯

怖い話

堤灯

投稿者:メガバスさん

これは田舎の祖父から実際に聞いた話しです。

小さい頃、関西の田舎町にある祖父の家に良く遊びに行きました。
山や池が近かったせいかカブトムシやクワガタ、
ホタルや魚をたくさんとって良い思いでができました。

祖父の家は旧農家でかなり広い家でした。

家の入り口にキセル(タバコを吸う管)と提灯がセットで置いてありました

私は不思議に思い祖父に聞きました。
「このキセルと提灯なににつかうの?」

(私の幼少の頃は村には電灯がすでについていました)

「じっちゃんが小さい頃は電気が無くての・・」

「へーー電気なかったん?」

「そう、その提灯に蝋燭で火をつけて外出したんじゃ」

「このキセルは?」

「ふふふ・・新仏って ボク知ってるか?」

「しらん・・・」

「死んだ人じゃ・・」

「病院で死ぬんじゃないの?」
「昔は大概家で臨終を迎えて、死んだら親戚の人が
医者を迎えにいくのじゃ 電話も無かったからのう・・」

「へーーえ」
「これが大変での。医者を迎えに行くのは誰も嫌がるのじゃ・・・」

「なんで?」

「提灯に蝋燭の火を点して道を歩くと周りは真っ暗。。」

「ふんふん」
「暗がり峠に指しかかると向こうにぽつーーんっと」

「何があるの」

「提灯の光が見えるんじゃ・・」

「だれ?」
「よーーく見ると死んだ新仏じゃ・・」

「じゃ::幽霊?」

「ま そんなもんじゃ・・」

「ここで一服してキセルでタバコを吸うんじゃ・・」

「なんで?」
「新仏が生前恨みを持っていたら池や崖や川に連れ込んで
取り殺してしまうからじゃ・・・」

「ひえーー」
「タバコを一服吸い終えてまだ提灯があるようだと
恨みを持っていないのでそのまま付いていっても
ちゃんと医者の家まで案内してくれるんじゃ・・」

「そんなことってあるの・・」

「村に電灯が付いてからは無くなったがね・・」
「そうそう・・姑の○○ばあさんが昔、
川で死んだ事があった。
・・あの婆さんタバコが嫌いでのう・・・」

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