放課後に

怖い話

放課後に

投稿者:猫手猫足さん

わたしが高校生の頃の話しです。(十数年前)
演技部の練習を終えて6時過ぎに帰宅しようと思った時に、
教室に体育授業の日誌を忘れたことを思い出しました。

その日誌はすぐに提出しないと先生に怒られるので、
友達についてきてもらって取りに行くことにしました。
季節は真冬だったので6時過ぎというと辺りは真っ暗で、
校舎は1階にある職員室以外真っ暗でした。

わたしの教室は4階南館にありました。
階段を登りきると、北館からのわずかな明かりと
非常口を示す明かりだけであとは真っ暗でした。

わたしの教室は階段から数えて2つ目のところにありました。
教室に入って電気をつけようとスイッチに手をやった時に
今までに聞いたことのない金属音がしました。
変だなと思いながら電気をつけ、忘れていた日誌を取ると
すぐに教室を後にしました。

教室を出てすぐに廊下から足音が聞こえてきました。

うちの学校は上靴ではなくスリッパだったのですぐに生徒が歩く音だと分かったのですが、

その足音はやけにスローペースでしかも規則的に聞こえてきます。

パターン、パターン、パターン、パターン・・・・。

その足音は間違いなくわたしたちの方に向かって歩いてきていました。

反響音がどんどん短くなり、遠くから聞こえていた音がもうすぐ側で聞こえてきているのです。

その音の方に目をやりましたが、姿が見えません!

友達に「聞こえるよね?」と確認したところ真顔で「うん」と答えました。

二人で目を合わせ、少し間を置いて悲鳴をあげながら階段を駆け降りて行きました。

2階の北館にいる顧問のところまで逃げようと走りつづけました。

2階の階段でわたしは振り返って耳を済ましてみました。

するとやはりパターン、パターンとこちらに向かって歩いてきている音が聞こえました。
わたしは更に声を大にして悲鳴をあげ、
半泣きになりながら顧問のいる部屋へと飛び込んだのでした。
それからは暗くなるまでクラブ活動することもやめ、
誰もいない教室に近付くこともやめました。
文字では上手く表現できませんが、
暗闇で聞こえてくる足音ほど無気味なものはなかったです。


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