向畑処刑場跡

心霊スポット

向畑処刑場跡
東京都新島村にある向畑処刑場跡。
江戸時代、新島をはじめ伊豆諸島は「遠島」という罪状で
罪人を島流しにする流刑地であった。
島にはもちろん、犯罪者がはびこる結果となっていまうため、
中には島流しにあった島で再び犯罪を犯す流人もいた。
中でも重罪を犯した流人はここ向畑処刑場で処刑されていた。
江戸などでは斬首や磔などが一般的な死刑だが、
流刑地では特殊な処刑方法が多かったという。
八丈島では銃殺。ここ新島では絞首刑が主流であった。
向畑処刑場跡2
向畑処刑場跡の供養塔。

史跡 向畑刑場跡
寛文8年(1668年)4月から明治4年(1871年)12月に
至る200年間に本島に流罪になった者は「新島流人帳」によれば、
1333人である。
そのうち、島で再び罪を犯し処刑され、死刑と公記された者は、
11人を数える。
流人が島で再犯し、重罪の場合、島役所では
早船を仕立て年寄が乗船し、江戸代官所まで、届け出た。
人命に関する裁判は、奉行所にあって島役所にはなかったが、
判決が令達されるまでの間、罪人を牢に入れ、
牢番を付け、食事の賄いもした。
当時、判決文が到着するまで数か月もかかった。
この間の経費の節減のため、島役所では
犯罪調書に「自滅申し付ける」と記し、
流人帳には「病死」と記して処理したものと考えられ、
処刑は絞首刑によったと伝えられる。
島民は、今なお、仏事、法要がある時などは、
これらの無縁仏への卒塔婆、香華など追善供養を行い、
そそぎ切れない罪に服して散った流人達の霊を慰めている。
向畑処刑場跡3
こちらは割と古い南無妙法蓮華経のヒゲ題目。
ここでの絞首刑には金太廻しという名前がついている。
新島炉ばなし/武田幸有著によると、
金太廻し
「金太廻し」というのは流人の処刑、すなわち「しばり首」のことである。
その当時、流人のなかに金太という男がいた。
もっとも金太という名は流人帳のなかに見あたらないので、
彼は流人ではなく下賊の死刑執行人であるとする説もある。
いずれにしても処刑される者の首に縄をかけて絞め殺すのが、
彼の役目であったことにはまちがいない。
そういう職業にあったせいか、彼のひごろの行動は極めて
粗暴であったらしい。しかし、こと「しばり首」に関しては
彼の右に出る者はなく、実にうまく絞め殺したようである。
それゆえ、彼の名はしばり首の代名詞ともなったのであろう。
思うに、いかに役目・しごととはいえ、自分にとって
何の恨みもない人間の首に縄をかけ、直接自分の手で絞め殺すことは、
やはり両親の呵責があったのだろう。それをまぎらすための粗暴な
日常生活であったということも想像される。
それゆえ、受刑者の苦痛をできるだけ少なくしてやろうという
気持ちから「すぐれた技術?」が生まれたのかもしれない。
金太廻し、すなわちしばり首は、前述の向畑刑場で行われたのであるが、
その方法はまず前もって大きな穴を掘り、その上に板をさしかけておく。
やがて引きたてられて来た受刑者を板の中央に立たせ、
頭上の松の枝からたらした縄を首に巻いて板を取りのける。
当然受刑者の体は宙に浮く。それを金太が廻して、首にかけられた
縄をさらにくいこませる。受刑者の息の根が止まると、
下の穴に埋めたという。
とある。
向畑処刑場跡4
供養塔の裏側にはここで処刑された流人の墓が並ぶ。
左奥には蝙蝠安の墓があり、こう記されている。
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蝙蝠安の墓
おかみさんえ…いやさお富…しがねえ恋が情の仇、
命の綱の切れたのを…の名せりふで有名な
「夜話情浮名横櫛」の芝居で切られ与三郎
とともに源治店の妾宅を訪れ金持ちの囲い者に
おさまっている元芸者のお富をゆする
蝙蝠安のモデルとされている木名山口瀧蔵は、
上総木更津の油屋に生まれた、性来の道楽生年とともに
長じ果ては家をとび出し、ゆすりかたりとだんだん
悪の深みにはまりこみ遂に捕えられて
嘉永5年(1853年)3月他の罪人3名と共に
新島に流された。
服役3年嘉永7年7月9日牢死。行年42才と記されている。
自綠信士と刻まれた墓碑の施主は、同船中とあるが
島おくりされ罪人だちは護送船中で互いに親しみあい
島での生活のことなぞかたく誓いあったものだという。
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向畑処刑場跡5
おびただしい数の墓石がある。
百基近くあるらしいが、公的な記録には
ここで処刑された流人は11人である。
向畑処刑場跡6
道をはさんだ場所にも墓があった。
通常死罪になった罪人は墓を作ることは禁止であるが、
新島島民の優しさがわかる史跡である。
向畑処刑場跡7
帰ろうかと思っていると呼ばれた気がして
さらに奥に進むと別の向畑刑場の供養塔が。
なぜこれだけ少し離れた場所にあるのか…

動画撮影したが、なぜかピンボケしてる…


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