妖怪体験談朱い塚-あかいつか-

天狗松

投稿者:シェーラさん


まだ幼稚園か小学生になりたての頃のお話です。

静岡県磐田市のI川の堤防に、大きな松の木が生えていて

天狗が住んでいると云われていました。

親戚の家が近くにあるため、よくこの堤防にフナや雷魚を釣りに来ていました。

そんなある日の早朝、いつものように松の下で

釣り糸を垂らしていると(※注:当時ルアーFは皆無)

大きな鳥の泣き声がし、上を見上げるとカラスの羽の様な黒く大きな羽が数枚、

クルクルと回りながら落ちてきて…

気が付いたら辺りは薄暗く、日が沈み掛けていました。

トボトボと橋を渡っている途中、反対側から青い顔をした

母と親戚一同が駆け寄って来ました。

散々怒られた後事情がわかりました。

昼に一度、甥が釣り場に来た時道具はそのままで、

私の姿がどこにも見当たらなかったそうです。

世間体もあり、夕方もう一度探して見つからなかったら、

警察に届ける所だったそうです。

…落ちていたら水死してるゾ(鳥肌)

私、その日一日どこを彷徨っていたかの記憶がありません。

当然の事ながら、一人で釣りに行く事を禁止され、

迷惑を掛けたので親戚の家にも行かなくなりました。

それから数年のうちに松は枯れ、市によって切り倒され処分されてしまいました。

ちなみにここに住んでいたと云われる天狗は、村を守り、子供達に優しかったそうです。

私にとって数多い不思議体験のうちで、唯一異質な思い出でした。


次へ   メイン



妖怪体験談朱い塚-あかいつか-