投稿者:青い小鳥さん
茶色く錆び付いた 大きなショベルカーのような物に
20人くらいがすくい取られて
着いたところは 真っ赤な血の海 同じ色をした空間で
どこまで続くのか分からない そこにあるのが空なのか 壁なのかも分からない
果てがあるのかも分からない
膝下まで血に浸りながら 落とされた空間をさまよう 人人人・・・
よれた背広のサラリーマン
赤く染まった白のワンピースを着た少女
皆目がうつろで 出口を求め 彷徨っている
私はそんな世界の真ん中で 恐怖で足がすくむ
よれた背広のサラリーマンが びくんと体を波打たせ
天を仰ぎ 声にならない悲鳴を上げて
苦痛に顔をゆがめ 全身をふるわせながら 血の海へと沈んでいった
それに気がついた人々は 蜘蛛の子を散らすように走って逃げた
何が起こっているのか 誰も分からない
また別のショベルカーが 人を運んでやってくる
気がつくと、あたりには 肌が錆び付き 乾ききったミイラのようなものがいる
逃げる人々に飛びかかって 生きたまま肉を喰う
もうどこにも逃げられない
傷みに恐怖しながら 血の海へと沈む者
自分の肉が食べられていく音を聞きながら 息絶える者
白いワンピースを着た女の子が 呆然と立ちつくしている
私は 走った
息が切れる 苦しくても走った
逃げなければミイラに喰われる 逃げても血の海に殺される
そして目が覚めた
あれは 地獄への入り口
そんな気がする。