投稿者:あゆみさん
私が高校1年生だったときの話です。
その時「キューピッド様」という、
「こっくりさん」に似たものが流行っておりました。
(「こっくりさん」は入り口が鳥居の絵、10円玉を使用。)
(「キューピッド様」は入り口がハートマークに矢が突き刺さっている絵、鉛筆を使用。)
どこの教室の中でも誰かはやっていたものでした。
私たちもそれに漏れず、毎日放課後のたびにやっておりました。
さてある時のこと。私・K子・A子そして、聞き手役のM子
(キユーピッド様は4人でやってはいけない)
いつものメンバーでいつものようにはじめました。
「キューピッド様キューピッド様。いらっしゃいましたら
“はい”のところに行って下さい」
鉛筆は“はい”へと動きました。
A子「女性ですか?」
「はい」
いくつか質問をしていたのですが、ふいに人の顔を描き始めたのです。
A子「これは誰の絵ですか?」
「この絵は私の似顔絵です」
A子「今あなたのほかに誰かいらっしゃるんですか?」
「男性がいます」
具体的に何を彼女に聞いたのかは覚えていません。
彼女には妹がおり、そばにいる男性にも弟がいて、
彼女の妹と弟とは恋人同士であるとのことでした。
しばらくキューピッド様4人がかわるがわるでてきては話していたのですが、
その『弟』が・・
「K子ちゃんかわいいね・・・僕気に入ったよ」
K子「ありがとう」
K子もそのときは笑っていました・・・が、
「ぼく今日、K子ちゃんの家に行くよ」
K子「ええー冗談でしょ。こなくて良いですよ」
「ううん・・今日必ず行くよ・・・」
K子「いや!!ちょっと来ないで下さいよ!!」
「今日行くからね・・・」
突然の事に私達は顔を見合わせるばかり。
どうして良いのかわかりませんが、
とにかく『弟』をK子の家に来ないように説得をしましたが、
なかなか聞いてくれません。
5分でしょうか10分でしょうか、実際はもっと短かったかもしれません・・・すると
「私の彼に手を出さないで!!」
今まで黙っていた恋人である『妹』が切れたんです。
「彼は私のものよ!!」
K子は泣きながら今度は『妹』をなだめていました。
・・・すると『弟』が
「ごめんね・・K子ちゃん。家には行かないから、お願いだから泣かないで」
K子「彼女と仲良くして下さい。」
「お願いだから泣かないで・・・」
K子「私は彼を取るつもりはありません。2人で仲良くして下さい!!」
「ありがとう・・」
2人は(?)やっと納得してくれました。
こんなことがありましたが意外にも
「キューピッド様」はすんなりと帰ってくれました。
あのときもし「絶対に来る」と言っていたらK子はどうなっていたでしょう。
この時以来、K子がメンバーからはずれたことは言うまでもありません。