投稿者:天音さん
高校時代の先輩が地元を離れて
東京の専門学校に行っていた頃、見た夢の話です。
ある晩、眠りについた先輩は夢を見ました。
背景ははっきりしないのですが、
すぐそばに見たことのない男が立っていることだけは分かったそうです。
その男は、先輩に近づくと腕をつかんで
「一緒に逃げてくれ」
と言うのです。
とっさのことに言葉も出ない先輩にその男は
「A町B(地元の地名)の○○(名前)だ。」
と名前を名乗り、ぐいぐいと腕を引っ張ります。
「一人じゃ嫌なんだ」
と言葉を続けるその男のつかんだ手をなんとか振りほどいて
走り、そこで目が覚めたそうです。
その夜は眠りにつくとまた夢を見そうで眠れず、
外が明るくなりホッと一息ついたところで、
夢の中で男が言っていた住所と名前があまりにも鮮明なので
実家に電話をいれてみました。
電話に出たお母さんに夢の話をすると
「なんで、あんたのところに行ったんだろうね?
昨日ね、自宅の車庫で自殺したんだよ。その人。」
知合いに頼むならまだしも、
「一緒に逃げて」
なんて面識もない人にお願いすることじゃないだろうに、と先輩は言っていました。
でも、この男の人は何から逃げたかったんでしょう。