投稿者:あきさん
かなり昔の話になります。
タイトルが「都市伝説」としてありますが、
ありがちな怪談をそのまんま体験してしまいました。
あれは、高校卒業してすぐ、仲の良い友人とドライブに行った時の話です。
その時は、「おまえの運転こえ~から、あたしが運転するっ」と、
友人Sのクルマを私が運転していました。
いわき市の海岸沿いを、潮風に吹かれながら、
たわいのない話をしつつ、運転していたのです。
……その時までは。
リヤシートに乗っていた友人Mが、
「ねぇ、なんか、気持ち悪いんだけど…」。
やっべ、運転荒かったか?
「酔った?ゴメンゴメン、気をつける」
「いや、そうじゃなくて、後ろ…」
私はバックミラーで、MとSは振り向きました。
「ひッ!」
「な、なんか影がついてくるよーッ!!」
友人には影にしか見えなかったらしいですが、
私の目には上半身のみの「老婆」が、
クルマと同じスピードでついてくるのが見えたんです。
またその顔が、にやついていて、すごい不快感をあたえました。
「やばいのがついてきてる。スピード出して、あの橋で振り切るよッ!」
あの橋とは、長さ10メートルもないちいさい橋なのですが、
なんていうか、優しい空気をまとった橋のことで、進行方向にありました。
60キロ走行だったのを、
90キロ近くまで出したのですが、それでもついてくるんです。
追いつかれたら全員ヤバイ。特にリヤのMは絶対危険でした。
どうにか振り切らなければ。もう少し、もう少し…。
見えた!大丈夫か…?
「あきちゃん!…やだぁ!!」
見ると、リヤウィンドウに張り付いてる「老婆」…。
「これ持ってろ!!」と言って、ちいさい水晶を渡しました。
「行くぞ。ちょっと息止めてろ!!」
アクセル踏んで、フル加速。
……しばらくはみんな怖くて、後ろを見ることができませんでした。
ちらっとバックミラーを覗いて一言、
「…大丈夫だよ…」。
休憩のため、パーキングにクルマを止めました。
「やばかった・・・」と、クルマから降りて、なにげに後ろを見たら手の跡が…。
なんだか、「100キロババァ」を彷彿させる話じゃないですか?
今だからこそ、客観的に見れますが、その時は死に物狂いでしたから。