投稿者:いちごちゃんさん
私の父の話です。私がまだ高校生のときです。
ある夏の日、父が夜の11時ごろやっと仕事を終え、
帰宅しようと会社を出て車に乗り込みました。
父の会社から自宅まで、およそ車で20分くらい。
車を発進させ、ほんの数十メートルほど行ったあたりで、
前方に白い花柄のワンピースを着た女性が
歩いているのが見えました。
髪は長く、後姿しか見えませんでしたが、
若い女性であることはわかりました。
ただ不思議だったのは、こんな深夜に女性が一人で
どこに行ってるんだろう、ましてや真夏の夜です。
その付近には、民家も数件、倉庫が1~2件、
あとは田んぼや林がある寂しいところです。
外灯なんてありません。
少し怖くなって父は急いでその女性を通り過ぎていきました。
家までの半分の道のりまで着た父は、近道をしようと、細い路地に入りました。
細い路地はやがて本線に突き当たり、三叉路に出ました。
左折をしようと、左右を確認 し、もう一度右を見たときです。
路地から出た右側には橋がかかっており、
その橋の真中あたりになんとさっきの女性が立っていたのです!
先程の場所から車で10分はかかる距離です。
よく目を凝らしてみると、その女性は、間違いなくさっきの女性です。
こちらを向いています。
怖くてたまらない父は急いで左折しました。
すると、車のエンジンルームから、
「ガラガラ!!」と奇妙な音がして止まってしまいました。
父はビビりまくりながら車を降り、
後ろを振り向かないようにしてボンネットを開け、
ライターで照らし中を見ると、さっきまでは何ともなかったのに、
ファンベルトが切れてしまっているではないですか!
周りは民家などありません。
一番近くの民家と言えば、女の立っていた
あの橋を渡らなければありません。
父は橋を渡る勇気などなく、 そこから5分ほど
歩いたところにある民家に助けを求めたのです。
結局、父が帰宅し たのは、午前1時を回っていました。
もう、12~13年前の話なのですが、その道と、
その橋を渡らなければ、実家には帰れないため、
そこをとおるたびに、思い出し、大変怖い思いをしています