婆ちゃんの独り言

怖い話

婆ちゃんの独り言

投稿者:しゅんじさん

うちの婆ちゃんは72、3歳の頃に
クモ膜下出血で一度亡くなったのですが、
数分後に生き返り、その後、94歳で大往生するまで
元気に生き続けました。
その間の約20年、我々家族は不可思議な体験を
することになりました。
たとえば、ぼくが小学校から帰ると、
祖父母の部屋から話し声が聞こえてきます。
お客さんかと思い、挨拶に行くと
祖母が誰も座ってない座布団と向かい合って、

独り言を言ったり、何か相槌をうってたりするのです。
そして、ぼくの姿に気付くと、

「何でもないから、あっちへ行っておいで」

と言い、 再び何か話し始めたりします。
また、ぼくの家は古いせいか、 誰もいないのに
よく廊下や階段がギシギシ鳴ることがあったのですが、

祖母はそんなとき、よくお客さんを招き入れるような
しぐさをしていました。

祖父や父は「ボケたんだ」と言ってましたが、

ぼくと姉は、そうではないことを知っていました。
それは、ぼくと姉と祖母が3人で、 近所の大学病院内にある
公園に遊びに行ったときのことです。

どこからともなく、男女混声のハーモニーが聞こえてきて、

ぼくと姉は祖母の手を引き、歌の聞こえる方へ歩いて行きました。

なんか物悲しいような、でも、美しいハミングだったように覚えています。
そして、それが聞こえる小さな建物をつきとめ、
ぼくが「探険しよう」と言ったときです。
「あれは死んだ人の声だから行っちゃ駄目だよ。
あんたたちにも聞こえるんだね」

と祖母は言いました。
後で友達から聞いたのですが、その建物は
研究用サンプルか何かの死体の保管場所で、

「出る」ことでは有名な場所だったんですって。

祖母はああいった声をいつも聞いていたんですね。

でも、自分が死ぬ番になったら誰にも聞いてもらえない。
さんざん可愛がってもらった孫としては、
思い出すたびに、なんだか悲しい気分になります。

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