投稿者:こうじさん
こんばんは、今日もまた学生時代の話です。 キリシタン墓地の話にしようと思っていたのですが、
今日偶然、今から話す話に登場する 友人から電話があり、
思い出したので、ぜひ聞いてください。
霊を呼ぶと言うか、彼はそういった体質?が
あるようで、私だけではなんともないのに、
一緒にいると頻繁に怪しい現象がおこります。
そんな彼が、大学時代の終わり
卒業論文のテーマである坂本竜馬を、取材するということで、
高知へ行くことになり、先に論文を片付けて
暇な私が同行した時の話です。
二泊三日の行程で、順調にスケジュールをこなし、
明日は別府行きのフェリーに乗るという日、
暗くなった山道を彼の運転で港方面へ走っていました。
途中、それまで順調に井上陽水が歌う、
「かざりじゃないのよ涙は」が流れていたスピーカーから
雑音が聞こえはじめました。
私は、カセットを取り出しましたが、
いやなノイズは消えませんでした。
その時、友人が「あー、後ろに乗りやがった」と言ったので、
後部座席を見ますが私にはもちろん見えません。
でも唯一私が霊を感じた時におこる
激しいめまいが連発で襲ってきます。
彼は冷静です。
今までも、やまなみハイウエーなどで彼と走っている時、
何度か経験していますから。
私もそれほど動揺はありませんでした、
彼が次に口をひらくまでは。しばらく走るうち、彼が小さな声で
「うわ、まじぃ、やばい」と言っているのが聞こえ、
「どうした、なんがやばい?」
と緊張して聞き返すと
「もうだめや、車停めるけ、前に逃げるぞ」と小声で返してきます。
そして、こちらの心の準備もできないうちに急ブレーキ、
よく覚えていませんがとにかく走りました。
その時恐怖に足がすくむというのがよくわかりました。
足がもつれるんです。
電気がついている自動販売機まで50メートル程走ったと思います。
ライトもつけっぱなしの車を遠くから見ながら、話をききました。
ステレオの調子が悪くなってすぐ、
後ろの席の中央に女性が座っているのがわかったらしいんですが、
顔は見えず輪郭だけだったそうです。
でも、気にせず走っていればいつも、いつのまにかいなくなるので、
そのまま走る事にしたのですが、ミラーごしに時々通り過ぎる対向車や、
外灯でシルエットを確認していたら気づいたのです。
その女性の頭のてっぺん、もちろん髪の毛も影で確認できるのですが、
ちょうどてっぺんの、髪の分け目から噴水の様に
髪がのびていくのが見えたそうです。
「まじで、怖くなった。初めて見たわ。」というので、
よく見ているくせに彼も動揺しているのかと思いましたが、
そのあと彼が「あれは幽霊やない、ばけもんや」と言ったのです。
鳥肌がたって、身体がふるえたのを覚えています。