親切な手

怖い話

親切な手

投稿者:明日香さん


私が予備校生の頃のお話です。
十二時ごろ、勉強を終えた私は、
電気を消したままの寝室に音を立てないように入りました。
…というのは、私は母と同じ部屋で寝ていたので、
ドタバタして起こしたくなかったからです。

母は看護婦だから、朝が早いのです。
私は布団に入りましたが、あまりの寒さに寝つけず、
電気アンカーをいれようと、

コンセントを暗闇の中で探してました。
コンセントはなかなか見つからず、
ガチャガチャ音がするので、あきらめかけた時、

私の手にフニュッと触れる手の感触が…

その後、アンカーは電源が入って暖かくなりました。

「ごめん、起こしてしまって…ありがとう」

翌朝、起きたとき、私はある事を思い出しました。

昨夜…母は夜勤でいなかったのです。

家の中は私一人だったのを、すっかり忘れていました。

……では、あの手は一体…?

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