投稿者:屋敷サカエさん
春、新入社員が入って来た頃の話です。
この部屋にも、一週間の研修が終わり女の子が配属されました。
しかし、この日先輩達は仕事の追い込みで手が離せなく、
僕が社内を案内することに。
…絶対に霊現象の事は喋らない様に!
先輩達から脅迫まがいの忠告が。
社内を説明中、天井から「バシ!バシ!」
…おい!まだ昼間だぞ!
女の子は、少しビックリして
「あの~この音何ですか?」と聞かれ、
「道路の音だよ」適当にごまかし部屋へ
…ひとまず安心。
が、「ちょっと、隣の倉庫へ一緒に行って資料取ってきて!」
…それはマズイって!
目で合図したが「行け!」と指示。
薄暗い倉庫の中、資料を見つけ何ごとも無く戻ろうとした時
「この会社、幽霊出るんですか?」唐突な質問。
「い、いや!何故?」…何でばれた?
「だって、ここに入ってからズーと袖を掴まれてました…」
うつむいたまま答えて来た女の子に、嘘を付けなくなり
「……ちょっとね」正直に言ってしまいました。
女の子は翌日欠席し、数日後そのまま退社。
普段、新しい人が入社しても直ぐには現れなかった霊は
若い子が余程気に入ったのか、
歓迎しすぎた様でした…