投稿者:かなさん
私は今、イギリスに住む中学2年です。
これは父の上司がフランスに仕事で行ったときの話です。
Kさん(上司の名前)は、会議のためフランスに行きました。
田舎の方にある古いホテルで会議をした後、
Kさんとその部下の人たちは部屋に向かいました。
ドアを開けると、そこに大きい部屋(部下用)、
そしてその奥にスウィートルームがKさんのために
用意されていました。
Kさんは、奥の部屋を開けました。
その途端、なんとも不気味な感じがしたそうです。
でも、会議で疲れていたし、隣の部屋には部下が何人いるので、
あまり気にせずに部屋の中に入り、着替えなどを始めました。
スーツケースを開けながら、Kさんは床が冷たい石で
できていることに気がつきました。
ベッドにもぐりこむと、Kさんは日本にいる奥さんに国際電話をかけました。
会話の途中、床が突然激しく揺れ出しました。
「地震だよ!」
「あなた、何言ってるの。フランスに地震なんかないでしょう。」
よく考えてみれば、フランスに地震があることなんてありえないんです。
イギリスでも地震はありません。
不思議に思いながらもKさんは電話を切り、
ベッドに横たわりました。
しばらくすると、天井から、人の足音のようなものが聞こえてきました。
「こんな時間にバタバタして・・・・・」
そう思っていると、突然kさんは金縛りにあいました。
初めてではなかったので、すぐに落ち着き始め、
また上から聞こえてくる音に耳を傾けました。
今度はムニャムニャと、何か人が唱えています。
「今度は何だ。明日の朝になったらデスクに行って文句を言ってやる。」
しばらくするとKさんは金縛りから解放され、眠りに着きました。
次の朝、Kさんは部下の部屋に行きました。
彼が地震のことをいうと、
「何言ってるんですか?地震なんてありませんでしたよ?」
といわれました。
だんだん怖くなってっきたKさんは、急いで荷持ちをまとめて、
チェックアウトの手続きをするためにロビーに向かいました。
「きのう、上の階のやつがなんやらやっていたんだが、なんか言っといてくれんか?」
そう言うと、隣にいた部下が、顔をしかめました。
「ちょっと来て下さい。」
外に連れて行かれたKさんはそのとき、すっかり目がさめたそうです。
彼の部屋の上には何もなかったのです。
帰る前、鍵を閉めるために部屋に戻ると、
さっきまでなかったドアが部屋の中にあります。
恐る恐る開けてみると、冷たい風が吹き出しました。
冷たい石の階段が、延々と下に続いています。
おかしいな、と思いながら鍵を見ると、
さっきまで二つあった鍵がひとつしかありません。
ロビーで、鍵をひとつ無くしてしまったというと、
「最初から鍵はひとつしかありませんでしたよ。」といわれるだけです。
その後、何も事件もなく、Kさんは日本に帰るのですが・・・・・・。
これは後で聞いた話なのですが、そのホテルというのは、
何百年か前は修道院だったそうで、
そのときはKさんがいた階よりも上にもうひとつ階があったのだそうです。
その部屋は、死刑囚が閉じ込められていたところだったんです。
これでつじつまが合います。
・・・・・昔、その部屋に閉じ込められていた死刑囚が、
「もうひとつドアと鍵があったら逃げられるのに。。。。。」
と、ずっとそのことばかり考えていた。
しかし死刑になったその死刑囚が死んだ今、
恨みだけは部屋に残り、命日だけに出てくる
ドアと鍵を作り出しているのです・・・