投稿者:Bee_sanさん
今から一年程前、彼氏から聞いた話です。
その時彼氏は営業マンをしていました。
飛び込み営業&アポ取り営業も両方行っていましたが。
その時はちゃんとアポを取って行ったそうです。
場所は新宿歌舞伎町の裏路地。
どう見ても廃ビルのような外観に、
「おかしいな~?間違えたか?」と思いながら入って行きました。
中に入るとますますその考えは強くなりました。
営業先はビルの高層にあったので、エレベータを探しましたが
そのビルにエレベータはありませんでした。
仕方なく階段を上がることにしました。
そして会社のあるフロアに来てみると・・・
会社のドアと思われる前に、書類や事務用品が積み上げてありました。
そこで彼は気付いたそうです。
理由は何であれ、ここに会社は無いんだと。
しかし前日に確認を取ったのでおかしいと思ったそうです。
階段を下りていると突然、猛烈にトイレに行きたくなった彼は
トイレを探しました。
すると、階段の踊り場の脇にトイレらしき引き戸があります。
戸を開けてみると、そこはドアの閉まった個室が一つ、
鏡もない洗面台が一つの狭いトイレでした。
色々な不自然を感じながらも、生理現象には勝てなかった彼は、
引き戸を閉めて個室のドアを開けました。
洋式トイレのふたが音もなく自動的にゆっくりと上がっています。
更には便座までゆっくりと上がりました。
「おおっ!すげーっ!!」・・・半技術系の彼は感動したそうです。
現代の便器の技術は素晴らしい!!と・・・。
興奮の覚めやらぬまま彼は用を足し、
トイレを流そうとレバーを探しましたが、それらしきものはありません。
その代わり上から紐がぶら下がっていました。
「やっぱり古いトイレだな」と思いながら再びギャップに感動し(笑)、
紐を引いてトイレを流し、
手を洗ってトイレを出ようとしました。
しかし引き戸が開きません。
開ける時はすーっと空いたのに、立て付けの悪い
戸のようにがたがたやっても開きません。
そこで馬鹿力を炸裂させ、どうにか引き戸を開けて出たそうです。
そうして表に出た彼。
そこでようやく気が付きました。
エレベータすらない半廃ビルで、入り口は引き戸という古いトイレなのに、
なぜ便器だけ最新技術を使っているのか?
・・・どうして便座まで上がったのか?
そういや便器も小さかったし、流すのは紐だったし・・・。
そこでようやく背筋に寒気が走ったそうです。
これを聞いた時、私も怖いというよりは笑ってしまったんですけど。
今度行ってみようと言いながら一年経ってしまいました。
そのビルはまだあるのでしょうか?