投稿者：雷神の眷族さん
今から２０年以上前、私も弟も大学生で、
それぞれ一人暮らししていた頃の話です。
ある日弟から電話が入りました。
「あにき、このあいだ金縛りで幽霊蹴飛ばしたって言ってたよな？」
「ああ。」
「あれ、ちょっとやばくないか？」
「なんで？」
「いや実はな、」
と、語りはじめた弟の体験が以下です。一人称は弟です。
おれな、もう三日続けて金縛りにあってんだよ。
一日目は正面から肩を押さえられて、
あにきに聞いたように力を抜いて集中したら
手が動かせたから振り回したら
柔らかい物にぶちあたって金縛りが解けたんだ。
二日目はまくらもとに座ったやつに肩を押さえられた。
また手を振り回したら相手の腹にパンチが入った。
右肩を押さえていた手がはずれた、と思ったら
頭をパンってはたかれてな、金縛りが解けたんだよ。
で、今日の明け方な、また来やがったんだよ。
今度は体勢が前と違ってた。
ちょうど上四方固めみたいにべったり乗られてるんだ。
で、力を抜いたらそれだけ締め付けてくる。
手が思うように動かせないんだ。
あわててもがいたら手が少し動いた。
で、集中して相手をぐっと押したんだよ。
その瞬間ぐいっと引っ張られてな、上半身ほとんど引っ張り出されたよ。
すべったみたいに手が外れてどすーんと体に戻ったけどな。
「俺、思うんだけど、金縛りの時って霊の次元に
肉体ごと引き込まれてるんじゃないか？
で、あにきがやったみたいに相手に物理的にさわれるときって
実は相手の次元に幽体をはみださせてるんじゃないか？
だとしたらその幽体をひきぬかれたら、、、」
「もどってこれないってか」
