投稿者:メガバスさん
ある夏休みの日、古くからの友人の誘いで
山形県の某島にイカ釣りに行きました。
この島は日本海に浮かぶ小さな島でS市より連絡船が就航しており、
夏場は釣り客と海水浴客で賑わっていました。
昼過ぎに島に渡りビールを飲んで夕刻まで寝ました。
出船は夜中の9時ごろで、結構イカが釣れました。
夜中の二時ごろに港に帰り、船から荷物を下ろしていると
宿と反対の岬のほうから明かりが漏れ
にぎやかな話し声が聞こえました。
岩場が邪魔して人の姿は見えませんが、
どうやら焚き火を囲んでどこかの団体が酒盛りをしているようでした。
「こんな夜中にいい気なもんだ・・」
私も宴会は好きで、丁度クーラーの中に釣りたてのスルメイカがあったので、
これを土産に酒盛りに混ぜてもらおうとしましたが
タイミング悪く仲間が宿から呼ぶ声が聞こえたので渋々宿に戻り、
釣り仲間たちとイカを肴にたらふく飲んで
翌朝は昼過ぎまで寝ていました。
昼飯を食べて帰りの出船まで時間があるので
昨日の岬まで散歩に出かけました。
宿を出て港まで行くと岬へ向かう道が一本ありました。
その道をのぼり小さな峠を超えると大海原が眼前に広がりました・・
ん?・・昨日の人たちはどこで宴会したのかな?・
と足元を見ると海辺に続く小さな道・・
と言っても踏み跡のようなものがありました。
その道をくだると・・・小さな磯浜に出ました・・
そこは・・一面・・卒塔婆が乱立していました・・・
勿論。。焚き火の跡もありませんでした・・
海岸沿いにはよく このような浜があります。
多くは海流の関係で水死体が漂着する浜です。
昨日あのまま宴会に行っていたら・・
その浜は卒塔婆が風になびかせながら今も存在してます。