左肩に

怖い話

左肩に

投稿者:ちこさん

私が教育実習中で、東京の叔母の家に泊まって
通学していた時のある日のことです。

おばの家は新宿近辺にあって、JRと地下鉄2本の駅が近くにあります。
私は通学にどれが一番便利か調べようと、
いろいろな方法を試してみていました。
1日目はJRを使ったのですが、回り道をするので
かなり時間がかかってしまいバツ。
2日目は地下鉄の駅までちょっと距離があって、
重たい教科書と教材を持って歩くのは辛かったのでバツ。

そして問題の3日目。

行きは通学時間も短く、とっても良かったんです。

問題は帰りでした。

教師は意外と大変でして、学校に残って教材を予習したり、

担当の先生との打ち合わせで帰りが結構遅くなってしまいます。

地下鉄の駅から外に出ると、辺りはもう真っ暗。

まだなれていない土地で暗いせいか、私は道に迷ってしまいました。

『確かここら辺なんだけどなぁ』

おばの家を探して歩いていて、ある家の前を通り過ぎようとした時でした。
廃屋、なのかどうかは知りませんが明かりもついていなく
嫌ーな雰囲気が漂い、
その家の方を向きたくないという気持ちになり、
そのまま何も見ないで通り過ぎたはいいんですけど
どうも道を間違っている、ということで
もう一度その家の方向へ戻らなくてはならなくなったんです。
どうしてもその前を通りたくない一心で、避けるように
家の隣りの坂道を上がりかけたその時でした。

『ずしっ』と左肩が急に重くなったんですよ。
そもそも霊感なんかこれっぽっちもない私にも、
すごく嫌な感じがしました。
結局それ以上足が進まなくなり、坂道を一気に駆け下り
その家の前を逃げるようにして過ぎ去ったのですが

どうしてもその左肩の違和感が取れなかったんです。
『変だなぁ、嫌だなぁ』と思いながらもう一度地下鉄の駅まで戻り、
叔母に電話をして迎えに来てもらうことになりました。

叔母と一緒に歩いている間も左肩は重いまま。

ところが、叔母の家の門をくぐったとたんに肩がいっきに軽くなったんです。
不安から開放されたからかな・・・と思い、
あまり気にしていなかったんですけれど

ある日霊感の強い友人と怖い話をしている時、
『右肩が重い時はただの肩こり、左肩が重い時は
霊がついてきてるから気をつけて』

という話題になって、
じゃぁ、あれは・・・・・?
と背筋が凍る思いをしました。
坂道の途中で引き返したから良かったものの、
あのまま先へ進んでいたらどうなっていたのでしょうね・・・。

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