投稿者:沢中 陽さん
同居人付きマンションに転居して時々奇妙な現象に悩まされるようになった
AD仲間のSクンのその後です。
悩まされてはいるものの、彼は生来の鈍感さと
鉄壁の無神経さで同居生活を続けていました。
そんなある日、Sクンに2時間スペシャル番組の
ロケADの仕事がフラれてきたのですが、
それは心霊番組だったのです。
このサイトでも紹介されている“おいらん淵”へ深夜12時過ぎからのロケでした。
ボクもOAを見たのですが、確か女優のW・Mさんが
レポートしていたと記憶しています。
一見、何事もなく無事に取材も終了し、ロケバスに乗ろうとしたとき、
同行していた霊能者のG氏がSにまだロケバスに乗るなと言ったそうです。
なにごとかと尋ねると、左肩に違和感はないかと聞かれたので、
そういえばさっきから妙に左肩の首筋が凝っていたのでそう言うと、
G氏はSの体質が最近霊現象に慣れてきていることを見抜き、
それゆえ、憑依現象に鈍感になっているらしく、
若い女性の霊が付いてきているというのです。
このままロケバスに乗ると“お持ち帰り”しかねないのでその場で除霊して貰ってから
ロケバスに乗り東京へ戻ってきたのですが、
実は除霊してもらって一時は肩が軽くなったものの、
まだ肩の凝りが完全に解消していないのを感じていたそうです。
そして、翌夜は編集所に泊り、その次の夜帰宅して、
深夜眠っているとキッチンの方で物音がかなりしているので、
またラップ音かと思い、面倒なのでそのまま放っていたそうです。
ところが翌日、翌々日と日を重ねるごとに音はエスカレートしていき、
ついにはトイレや浴室のドアが勝手に開き、
居間とキッチンを隔てる引き戸まで、何度閉めても、5センチほど開いてしまうというのです。
いい加減アタマにきたSは過日のG氏に個人的に連絡を取り、
相談したところ、金額の話を持ち出されて立腹し、
仕方なく先輩の伝でR氏という霊能者に来てもらい、
部屋を霊視してもらったところ、彼の部屋の先住人の男性の霊と、
最近“おいらん淵”からお持ち帰りした女性の霊が性格が合わず、
連日喧嘩しているということだったのです。
ボクは初めて聞いた話だったのですが、こんなことが在るんですね。
ビックリしました。
R氏に詳しく話を聞くと、先住人の男性霊はもう10年以上前に
この部屋に住んでいた男で、子供も出来ず、妻と二人で
この部屋に住んでいたのですが、
妻が男を作って出て行ってしまい、そのショックから仕事への意欲も失い、
出社拒否の末解雇されて切羽詰って浴室で手首を切って自殺したのだそうです。
自殺図ってまもなく発見されていれば死ぬこともなかったのに、
一週間近くも誰も訪れることなく放置されていたので、
出血多量の上に浴槽の水に一週間以上も浸かっていたので
肉体が水を吸って土左衛門状態になっていたそうです。
“おいらん淵”で拾ってきた霊はおいらん淵で投身自殺した若い女性で、
ホスト紛いの色男に入れ上げた挙句、
騙されて数千万も貢がされた末、その男から首を絞められて
殺されかかったこともあるという不幸な過去を背負っていたそうです。
男性霊は女にら対して、女性霊は男に対して
強烈な怨念を抱いたまま亡くなったので、
Sクンがお持ち帰りした日から壮絶な喧嘩が始まったのだそうです。
Sクンについてきたのも彼の顔がなんとなく騙された男に似ていたからだそうです。
ウソのようなホントの話です。ある意味あんまり怖くないような…