投稿者:B-HEARTさん
『いかなる高貴の人といえども、
無念骨髄に徹して死せむには、
世に祟りを為すこと必定なり。
そはこれを世に知らせて無念をはらさぬがためなり。
顕界にて受けたる無念は、顕界より解きてもらわねば、
はるることなし。』 「幽魂問答」より。
この世で生じた無念は、この世でしか晴らしえない。
故に私はその無念の思いを理解し昇華してあげる事で
成仏(神上がり)を果たさせる。
「彼」はそれからしばらくして私の左手から旅立って逝きました。
一仕事終えて一息つき、何気に路肩の
土手の上にある小さな御堂に目が留まりました。
、、水子地蔵?
それは夏の台風でメチャメチャに荒れてしまったままで、
何とも無残な姿を晒していた。
日を改めて又来ようか。
次の日曜日、私は師匠を連れあの御堂を掃除に行きました。
ある程度終わると花瓶に榊を挿し、イチゴ大福と
鬼ころしを供え手を合わせる。
「これで少しはこの辺の奴らも落ち着くんじゃないの?」
「ああ、少しはね。」
後日、水子に『鬼ころし』はどうだろう?という疑問から、
配送サボって三度「三瀬峠」へ交換用のお茶を
御堂へ持って行くと、、あれ?無い。
一体誰が持ってったんだか、『鬼ころし』。