まんだら堂やぐら群
やぐらは、鎌倉とその周辺地域に見られる特殊な遺構です。
まんだら堂やぐら群は、150穴以上が集中して造られており、
やぐら群として最大級の規模を誇ります。
明確な文献資料がなく、「まんだら堂」とは何なのか、
いつどのように造られた等は不詳ですが、整備に先駆けて
実施した発掘調査の結果、やぐら内部に石塔を据えて
納骨・供養する施設として13世紀後半頃から
造られ始め、おおむね15世紀いっぱい
(部分的には16世紀まで)供養が行われていたと
考えられます。これだけまとまった数のやぐらを
良好な状態で見ることができる遺構は
鎌倉市内にもほとんどなく、たいへん貴重です。
「立入禁止」の張り紙が。
いつもは閉まっていると思われるが本日はなんと限定公開!
こちらは展望台からの全景。
山の斜面に穴が開いており、これがやぐらです。
ここだけでなく他の地域にも分散しています。
(非公開)
平場の遺構
やぐら群の前に広がる平場は、岩盤を掘削した際に
発生した大量の岩くずで谷を埋めて造成されています。
西側に向かって広がるこの平場では、平成13年度の
発掘調査で、柱穴などの遺構や、かわらけなどの遺物が
比較的多く発見されました。
この付近にやぐらでの葬送供養に関わる建物などが
あったものと考えられます(14~15世紀頃)
四角い洞窟の中には石塔が並ぶ。
穴の中の石塔が人が座っているようにも見えた。
かつては人骨が安置されていた時期もあった。
こちらも山の斜面にやぐらがある。
やはりやぐら内には石塔が。
公開されているやぐらには石塔が無い物もありました。
大人一人入れるか入れないか、くらいの大きさですね。
広場に戻ると人骨の写真が。
まさかやぐら内から発掘?かと思ったら
火葬跡
この場所の70㎝ほど地下で、岩盤を四角く掘った穴が
2基発見されました。穴の内側は黒く焦げており、
ここで遺体を火葬したと考えられます。
やぐら群のその多くは楕円形で浅い皿形をしていて、
このような四角い形の火葬跡は比較的
珍しいものです(15世紀頃)
やはり小坪トンネルの上には火葬場が古い時代から
あったと考えていいようです。