班女塚

心霊スポット

逸匠冥帝氏レポート


『宇治拾遺物語』巻三の十五より
京都の高辻室町というところに姉妹が住んでいました。
姉は既に嫁ぎ、未婚の妹は姉と同居しておりました。
ある時妹が病気で亡くなり、棺に納めて鳥辺野まで
運んでみると、棺の中は空っぽ。
結局、妹の遺体は戸口に置かれていました。
翌日、もう一度運んでみたが、同じこと。
さらには戸口から動かすことすらできなくなる始末。
とうとう遺体をその家の床下に埋めることにしました。
その後、姉夫婦はよそへ引っ越し、
近隣の人も怖がって立ち退いてしまいました。
そして後には塚が残されるばかりでした。・・・
班女塚逸匠冥帝1
これが班女塚です。
案内板一つない、祠と岩があるだけの場所です。
よほど気をつけないと位置は判りませんし、
気づいたとしても、何を祀るものかも判らないでしょう。
班女塚逸匠冥帝3
祠の側面より。
かなり大きな岩で、赤みを帯びています。
多分この下に死んだ妹は眠っているのでしょうか。
班女塚逸匠冥帝2
祠の裏側より。
「班女」という名は死んだ妹の名前ではなく、
中国の漢の時代に皇帝に捨てられた女性の名前で、
【男に見捨てられる女性】の代名詞として使われています。
班女塚逸匠冥帝4
班女塚の東側、通りに面したところに
「繁盛神社」という、まことに縁起のよい神社があります。
「はんじょ」という音がなまって「はんじょう」となったと言われます。
班女塚逸匠冥帝5
そしてこのあたりの町名も「繁昌町」となっております。
でも、妹は結婚できずに死んだことを怨んでいるのでしょう。
未婚女性が塚の前を通ると必ず
縁談はつぶれると言い伝えられてます。
(もしかすると、見るのもダメ・・・?)
日本伝承大鑑
京都府心霊スポット

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