投稿者:千さん
福岡の古賀にすんでいたころの話です。
あのころ私は少々おかしな癖を持っていました。
まぁ、今でもなんですが。
そのころ散歩がすきでした。昼夜問わず。
私が当時すんでいた家の裏には防風林があって、すぐ海だったんです。
で、夜中に海辺とか、林の中とかうろうろしてたんです。
海辺では歌ってたり、酔っ払いのおじちゃんと話したり。
問題は林の中で起きました。
当時私は、見たり聞いたりしなくても、気配だけで誰か分かる、
といった今考えると信じられない事が平然とできてました。
犬や猫迄も気配で分かったりもしてました。
林の中を歩いている時、唐突になんとも形容できない、
とにかく恐ろしいプレッシャーを感じ、体中に鳥肌が立ち
すぐさまその場から逃げ出しました。
とにかく恐ろしい気配がしました。それだけは今でも覚えています。
気配が分かるから追い掛けてきている事も分かるんです。
林のなかって結構地面がでこぼこしてて盛り上がったりしてるんですけど、
やっぱりそういうところって、追い付かれたり離れたりしますよね。
盛り上がりをのぼる時、差がつまってくるんです。
でもその直後下り坂で、差は開くはずなんです。
でもかわらない感覚でついてきているんです。
私は盛り上がりを駆け下りているんです。
追い掛けているモノは盛り上がりを駆け上がっているはずなんです。
差が開かないのはおかしい、必死で逃げている時にそういう事を理解し、
よけいに恐くなり、後はどこをどう逃げたのかは覚えてません。
のちに近所の人に聞いた話によると、
古賀の浜辺というのは、昔から玄界灘で身を投げた人が流れ着くところらしいです。
酔っ払いのおじちゃんも、白い女の人と海辺で話してそれじゃ、帰るね、といって、
あぁ、最後に名前は?と振り返った時、もういなかったとか。
他にもいろいろある様です。