投稿者:静岡人さん
去年の冬、自分が17の時の話です。
或る理由から男友達4人で某進学会の寮に侵入したんです。
その寮はもう使われていないらしく誰もいなかったんです。
僕らは寝床を確保するために進入し、空き部屋に入り込みました。
夜でしたが、僕らは寒さのあまり暗闇の恐怖など無頓着でした。
まして、僕らはいろんな意味での恐怖に動じる事がない人間でした。
結構な数の空き部屋があったんで一人一部屋で寝ることとなり
他の3人は疲れていたんで、
すぐ寝るといって自分の部屋に戻りました。
それから数時間経過しても眠れなかった自分は考え事をしていました。
すると突然他の部屋の友達から携帯で電話がかかってきたんです。
「俺の部屋に来てくれ」って。
いってみると他の2人も呼ばれたらしく、そいつの部屋に全員集合です。
他の3人が壁の方を頻りに気にしているんで、自分も目をやってみました。
すると壁の中から奇怪な音がしているんです。
それが水道管の中の水がシューシューと発する音だと断じた自分は
すぐに壁の厚さを確認すべく廊下に出ましたが、
壁の厚さは10センチほどでしたし、なおかつ廃墟です。
また、音は生き物のように四方八方に移動していました。
向かいの部屋に乞食でもいるのかと思い確認しましたが、誰もいません。
すると一人の友達が「この音、包丁を研ぐ音に似てないか?}っていうんです。
それが、ぴったりだ。と自分も納得しました。
そんで、その音に眠りを妨げられた友人がキレているので、なだめようとした瞬間、
友人は音に向かって「うるせえ~」と怒鳴りつけ、
もう一人が壁に脚ゲリを浴びせました。
すると今度は壁の中の音がドンドンという音に変わったんです。
しかも何時の間にか廊下に女の人がいて、僕らを睨み付けているんです。
僕らは絶叫しました。
女は胸元が透けていたんです。
恐怖したのもつかの間でした。
本能的に死んでいる人間より生きている俺らのほうが
強いと判断した自分たちはその亡霊を捕まえようとしました。
すると案の定、女は逃げていきました。
そしてグッスリ寝た自分たちは何事もなかったかのように朝を迎えました。
その寮から抜け出した時、みんな一斉に廊下を飛び跳ねるウサギを見てしまいました。
女よりもあのウサギのほうがヤバいきがしました
その寮は実は今もあります。