投稿者:いけんよさん
これは私の親戚が経験した話です。
数年まえ、その親戚は山口県のとある山道を車で走っていたそうですが、
その日は霧が濃いかったらしいのです。
おかげで山の方の道に迷い込んだらしいのです。
それでもなんとかライトだけを頼りに走っていましたが、
段段と視界のほうがおかしくなってきたそうです。
なんでも前方のライトの光が流れるような動きをし始めたようで、
もちろん車のほうはただ一直線に走っていたそうです。
車の動きとはまるで違う動作をしはじめたようで、
異変に気づいた親戚は速度を落とし、
中央線だけに気を使いながら走っていたそうです。
そうしているうちに、道の脇のほうに「→火葬場」
という古さびた看板が掲げられているのを見つけて、
思えばその方向にライトの光が流れていっていたようなのです。
そしてすぐその向こうのほうに草木に隠れるようにひっそりと、
火葬場がたたずんでいたそうです。
親戚は思わず運転を誤りそうになったそうですが、
それでもなんとか中央線から目を離さずに走ったそうです。
不気味なことに、その地点を過ぎたあたりから徐々に徐々に霧も晴れたようで、
気づけばライトの光もしっかりと道を照らしていたそうです。
親戚は「何者かが俺をあの火葬場に連れ込もうとしていたのだろう」と、
とても神妙な調子で語っていました。