投稿者:青花さん
あれは、私が小学校1年生のときでした。
私は、先輩たちと登校するため集合場所に向かって歩いていました。
その集合場所に行く途中に、古い民家があるんです。
塀に囲まれた民家の入り口からは庭が見えて、
私はふいに目をやりました。
庭の奥には井戸でもなく、何か穴がぽっかり空いているようでした。
そこに目をやった瞬間、私は凍りついたように立ち止まってしまいました。
そこから手が出ているんです!
女性のような細くて白い綺麗な手が。
私は恐くなって、集合場所に行き、先輩達に話をしました。
すると、先輩の一人に「そんなのウソだ」とバカにされました。
私だって、怖い話は好きだけど、幽霊なんて見たこと無いし、
ウソを言ってる訳じゃありません。
だからその先輩と一緒にもう一回見に行ったんです。
・・でも、もう手はどこにも見当たりませんでした。
怖い光景は見るわ、その先輩に信じてもらえないどころか、
ますますバカにされるわでその朝は散々でした。
・・・その日の帰り。
私はまたついつい、あの民家の庭に目をやってしまいました。
・・・あれから何ヶ月か、手はあの穴から手を出していました。
今もあの民家の前を通りますが、もう手を見ることはありません。
あの穴の中はどうなっていたんでしょうか・・・。