職場にて

この職場に移ってから３年目ですが、去年の８月の事でした。

仕事が立込んでいた為、盆休みも取らずに出勤しておりました。
忙しい中ふと気が付くと通路を二十歳前ぐらいの
若い男が行き来してます。

私は母方からの遺伝らしく、よく霊を見る事はあるのですが、
この時彼は私に自分の存在を気付いてほしかったのではないかと
思えました。

次に彼を見たのは休みが終わり、通常勤務が始まった日でした。

なんと課長について回っているのです、暗い顔をしたままで。

私はあまりにも気になり、笑われるのを覚悟で
総務部に全て話して見たところ意外にも真剣に対応してくれました。

なぜならば私の話が以前にあった事実とあまりにも一致していたからでした。
それによると今から１３年前の夏、
会社にアルバイトに来ていた高校生がいたそうで、
彼はなかなか働きぶりが良かった為に来年卒業したら
本採用となりました。

ちょうど不況の年でもあり、彼も家族も大変喜んでいたそうです。

ところがその年の終秋、彼は喘息の発作で急死してしまいました。

その当時彼に仕事を教えていたのが今の課長でした。
総務との協議の結果正式な業務命令として（本当です）
彼の家に線香をあげに私が行く事となり、

翌日尋ねていくとちょうど葬式の最中でした。

話を聞くと生前の彼を非常にかわいがっていた祖父の方が亡くなったそうです。

しかもちょうど亡くなった彼の１３回忌の年でもありました。