投稿者:下山さん
水のあるところに霊は、集まるとは
よく言ったものである。
僕の町にも、池や貯水池、川に田、海があり、
霊を見たって人もいる。
この話は、僕の友達が霊感を持ち、僕が不思議で
怖い体験をする話である。
小学生のころは、一歳年上の友達、
竜ちゃんと一緒に帰っていた。
仲もよかった。
そんなある日の下校時間に、
「雨が降ってきたねぇ。」
と僕が曇った空を見てつぶやいた。
「傘ないよ。学校から借りよう。」
と僕がそう言って傘を二本借りてきた。
今日もしゃべりながら歩く。
すると、竜ちゃんが「雨は、嫌いだ。」と言った。
「なんで?」と聞き返すと
「霊の動きが活発になるから。」と言う。
「霊って雨降るとそうなるん?」
「そうなる。」
「なんで?」
「分からんが、昔から水あるところに霊ありって聞いた。」
「ふ~ん。」たわいもない会話だが、なんだか楽しかった。
竜ちゃんは霊感もちで、オカルトマニアだ。
だから、何でも知っているし、聞けば教えてくれる。
「あっ。」竜ちゃんがつぶやいた。
「どうしたの?」
「向こう。」
指差したところに目をやると、女がうなだれていた。
明らかに普通ではない。
静かだが、威圧を感じる。
ここに来るな的な感じの。
「違うルートに行こうぜ。」と竜ちゃんが言ったので、
「え?なんで?」
「いいから。」
と言って僕の手を引く。
意味が分からないまま僕は手を引かれながら、歩く。
すると、女のいたところから水があふれてきた。
と、同時に木が倒れてきた。
「女は、これを伝えたくて、威圧をしていたんだ。」
「ほかにやり方があったと思うけど。」
「不器用なんだろう。」
霊にも不器用はあるのかなぁと思っていたが、
今回も竜ちゃんのおかげで助かったと思っている。
でも、これは、始まりだ。
これからたくさんいろんなことが僕の周りで起きる。
それをこれからも書いていく。