逸匠冥帝氏レポート
二条城の北西にある児童公園のそのまた北西に
奇妙にかたどられた空間があります。
ちょうどそれはU字形をしており、一見砂のない砂場のように見えます。
それが「鵺池」なのです。
今から約850年ほど前、近衛天皇在位の頃。
東山三条の森の方から毎夜黒雲がわき上がり、
御所の上で奇怪な鳴き声をさせる。
天皇はあまりの恐ろしさ故に床に伏せ、
その物の怪退治に源頼政が命ぜられた。
頼政は矢をつがえ黒雲目掛けて放つと、
奇怪な物の怪が落ちてきたのである。
頭は猿、胴は狸、手足は虎、尾は蛇という
とんでもない怪物であったという。
この怪物が落ちてきた場所がこの池の辺りで、
頼政は怪物の血で汚れた矢じりをこの池で洗ったとされます。
その後江戸時代末に源頼政の偉業をたたえる形で
「鵺池」に関する石碑が建てられ、
それが今でも残されています(全て漢文)
さらに昭和4年になると、
池のそばに「鵺大明神」という神社まで建立されます。
神社の扁額には他の神様と並んで
「鵺大明神」の名前があります。
日本広しといえども「鵺」が神となっているのはここだけでしょう。
ちなみに源頼政が鵺退治に使った2本の矢じりは
烏丸綾小路東入ルの神明神社に奉納されています。
(今ではこの神社の社宝として保管されているとのこと)
そして退治された怪物の死骸は舟で流され、
大阪の地にたどり着くのです。
(その後は大阪の「ぬえ塚」で)
「日本伝承大鑑」
京都府心霊スポット