投稿者:血みどろさん
これは高校時代僕の友達のT君から聞いた話です・・・
T君の母親は、けっこうな田舎の出身らしく、
当時はとても貧乏だったそうです。
ある日村で疫病が流行りT君の母の妹が
その疫病にかかってしまいました。
今でこそ簡単に治る病気なのでしょうが、
当時は村にそんな大きな病院もなく医学も発達していなかったため、
T君の母の父(つまりT君の祖父)は皆に伝染しないためにも
近くの山に妹を捨てたらしいのです。
(その地方にそういう風習があったかどうかはさだかではありませんが・・・)
そしてそのときT君の母が形見として妹の帯をもらいました。
実はその帯、T君の母が妹のために着物の生地から作った帯なのでした。
・・・それから数年後T君が生まれT君が小学生ぐらいのときのことです。
ある夜寝ているとT君が汗びっしょりで
「くやしい・・・くやしい・・・」とうなされているらしいのです。
はじめのうちはただの寝言だろうと家族も思っていました。
しかしそれが何日も続くのでおかしいと思ったT君の母は
知り合いのお坊さんに頼んでみました
(T君の伯父がお坊さんでT君も今修行しています)
するとそのお坊さんが言うにはT君に母親の妹の霊が憑いていて、
せっかく作ってくれた帯を使えないまま死んでしまったので
くやしがってるらしいのです。
結局きちんとお祓いしてもらって難なきを得たのですが、
T君はその時の記憶がまったくないらしいのです。
そしてその帯は今でも大切に保管されているそうです・・・