投稿者:風月さん
どうも。ご無沙汰しておりました風月です。
今回はちょうど去年の今頃(だったと思います)
にあった出来事を。
現在私が居る営業課にはM氏という非常に霊感の強い
男性社員がおりまして、日頃仕事が一緒になることは
あまり無いのですが、互いに怖い話が好きだということもあり、
残業時間などはまあまあ親しくさせて頂いています。
あれは確か去年の今頃。
その日は仕事が立て込んでいたようで、
M氏を含め数名の営業マンが残業をしており、
私も同期の女の子と二人、残業を片づけ
帰宅の準備をしていました。
いつもの事務所の光景です。
ふとトイレに行きたくなり、私は事務所を出て
トイレに向かいました。
トイレに行くには経理課の倉庫の前を横切り、
他の課の事務所や部屋をいくつか通りすぎなければ
ならないのですが、一歩事務所から廊下に出た瞬間、
何とも言えない不安感に襲われました。
自然と足が止まりますが、そこは何もない廊下と、
右手には経理課の倉庫の扉。
何がどうということもないいつもの光景です。
気のせいだと言い聞かせ、私は何も考えずトイレに向かい、
用を足し、事務所に戻りました。
戻って数分後。廊下に出たM氏が
「うわあ!!」
と声を上げ血相を変え戻ってきました。
何事かと私を含め数名の営業マンは唖然。
顔色の悪いM氏に何が起こったのか聞いてみると、
経理課の倉庫の扉がすぅっと開き、そこに
女が立っていたというのです。
経理課倉庫の扉は立て付けなどは悪くないモノの、
わりかししっかりとした造りのため、勝手に開くなどと
言うことはまずありません。
皆が通常業務に戻った後も落ち着こうと煙草をふかす
M氏を横目に、数分前のこともあり内心青くなりながらも
「きっと気のせいだ!」
と言い聞かせ深呼吸。
そして何分か経って騒ぎも収まり、
「さあ帰るぞ」
と、ふと事務所内を見渡すと、いつもと変わらない
風景なのに何か違和感があのです。
そして自分の机二個分向こうで鳴った
外線電話(内線と外線でコール音が違うのです)を
取った営業マンがすぐに受話器を置いて、
「何だよ、イタ電か?」
と呟きました。
聞くと、取ったは良いが何も言わずに切れたとのこと。
そしてその向こうでは、早くも先ほどのショックから
立ち直ったM氏が、他の営業マンと半分冗談交じりに
怪談話をしているではないですか!!
廊下から流れてくる違和感に、寒くもないのに
鳥肌が立っている腕を押さえながらついに確信しました。
『ヤバイ。確実に居る。しかも事務所内に入ってきてる!!
Mさん!そんな話今しちゃだめですよっ!?』
そう思いながらも、確信してしまった以上そんな場に
無駄に留まりたくはありませんので、私は同期の女の子に、
「M下!もう帰ろう!ささと帰ろう!!」
と言い、急いで事務所を出ました。
やはり廊下にも先ほどのイヤな感じが漂っていますが、
事務所内と比べればまだマシなモノ!!
早く会社から離れたい一心で、その後は脇目もふらず
寮まで急ぎ足で帰りました。
次の日、私が帰った後のことをM氏に聞きましたが、
M氏もその後すぐに事務所を離れたそうで、
結局あの後どうなったのかは判りません。
ただの通りすがりだったのでしょうか??
見えていたら、
私も悲鳴を上げていたんだろうなぁ。