投稿者:あゆみさん
これは私の高校時代の友達数人が体験した話です。
私の行っていた高校は1年生のときに篠栗の方にあるとある、
レクレーションセンターに、泊まりがけでオリエンテーリングに行くことが
毎年の恒例行事でした。
その場所は周りに何もお店などなく、山に囲まれなんとも寂しいところで、
近くに霊場があるとのことでした。
しかし、その時は他校からも2,3校参加していることもあり、
とてもにぎやかだったため、私たちは怖さなど無かったのです。
スケジュールにはオリエンテーリングがありました。
(特定の地図が渡され、それには番号が書いてあって、探して回るヤツです)
もちろん全員参加であることが条件ですが、
中にはどうしてもという理由で参加できない人もいます。
それがA、B、C、D子でした。
彼女達はみなべつべつのクラスの子でしたが、
各部屋にバラバラにいても寂しいので、
1つの部屋にみんな集まっていました。
たぶん、他校のスケジュールも似たり寄ったりなんでしょう。
うちの高校がオリエンテーリングにみんなが出かけてしまうと、
他の所も次々といなくなり、
あとは田舎の寂しさ、センターは静まり返ってしまいました。
「あんなにさっきまでにぎやかだったのに静まり返って、
何も音がしなくて気味が悪いね」
何気なしに行ったA子ですが、みんなも同じ気持ちです。
それを振り払うかのように、みんなにぎやかに話し出したそうです。
そしてふっとB子が
「廊下を誰か歩いてない?」
「そりゃここのセンターの人でしょ?気にしないの。」
C子が戯けていったものの、みんな耳を澄ませて聞きました。
「ぱた・ぱた・ぱた・・・」
スリッパの音が意外と近くから聞こえるのです。
「やっぱりセンターの人だよ、うちらを見回りに来たんじゃない。」
センターの中ではスリッパを履く規則になっており、
靴を履くのはもっぱら外に出るときだけで、
別にスリッパの音で驚くことはありませんでした。
「やっぱりうちらがいるから、見に来たんだよ」
D子が言って同意したのか、みんな自然と
その見えないスリッパの人を待っていました。
「なかなかこないね」
相変わらずスリッパの音は近くに聞こえているのに、
なかなかドアの前に来ません。
行ったり来たりしているような音がします。
でも、ドアを開ける勇気がみんなにはありませんでした。
みんなもいい加減気持ちが悪くなり、
話も途絶えドアをみんなが固唾を飲んでドアを見ていると、
「がちゃ」
ドアノブが動いたのです。
「ぎゃーーーー!!!」
みんながそれを見て悲鳴を上げました。
しかし・・・誰も入ってはきませんでした。
4人は後ただおびえて、みんなが帰ってくるのを
一カ所で固まって待っていたそうです。
私は帰ってきたときその友達から、
この話を一部始終聞いたのですが、私自身は半信半疑でした。
でもこれは始まりにすぎませんでした。
この後、この夜から不思議体験者が続々出たのです。
1人や2人じゃありません、何十人とです。
「誰もいないはずの部屋で何かが横切った」
「林を見ていたら『手』だけが自分の目の前を通り過ぎた」
「2段ベットに上がってくる黒い影を見た」
学校の先生は集団ヒステリー扱いでしたが、そんなんじゃありません。
それを言っている人がいい加減じゃない人である事は知っていましたし、
彼らの表情は尋常じゃありませんでした。
もうこの事実を否定できません。
今では忘れられない思い出なのですが、
ひとつ気になるのが・・
「私は何で体験できんかったんやろ?」
うーん・・・この一言です。