投稿者:屋敷サカエさん
11歳頃の話です。
父と一緒に、よく近くの天竜川へ釣りに行ってました。
その日は、日が暮れてしまい辺りがすっかり暗くなりました。
誰でも、釣れない時はイライラしますよね。
僕は、独り言でぶつぶつ文句を言っていたら、それが父の勘に触って激怒!
普段はおもろい父は、 一度怒ると手がつけられない。
一言二言怒鳴って、 一人で車に乗り、
サッサと帰っていってしまいました。
残された僕は、真っ暗闇の河原でひとり後悔……
暗闇に目が慣れてきた頃、川に向かって左前方から、
明かりが僕の方に向かって来るのがわかりました。
父が戻ってきてくれたのだと思い、
ほっと胸をなで下ろしたのですが、なにかおかしい。
ゆっくりこちらに近付いてきているのですが、明かりが一灯だけ。
よ~く考えるとそっちは川の中心。
そうしているうちに、低く湯気の様な白い霧が立ち込めてきて、
先程の明かりが見えなくなってしまいました。
もう一度目を凝らして見たら、先程の明かりの辺りに女性らしき人影が。
遠くて顔ははっきりしませんが、 白い着物の様な格好
(破けた服が裾の様に見えたのかも)をしてました。
その女性は、今度は右の方に川を滑るように遠ざかって行きました。
恐がりな僕は、その間金縛り(硬直)状態。
冷や汗が全身から吹き出していました。
女性が消えしばらくして、父が迎えに来きました。
自宅に帰ってその話をしましたが、家族は誰も信じませんでした…。
天竜川は、昔からよく氾濫して、人が大勢亡くなっている川です。
僕が見たのは、溺死した女性の霊だったのでしょうか?
この体験から、霊感体質に変わってしまったのを付け加えておきます……