投稿者:YASUMIKIさん
60才を過ぎた父は、都心のとあるビルの
ボイラー管理人として働いていました。
ある日、小便をしようといつものように地下のトイレに入りました。
そのトイレは、入り口正面に小便器が5個、
入って右側に大便用が2個互いに向かい合うように設置されている、
まあ大きい部類のトイレです。
トイレに入ると、右側の奥に作業着姿の中年の男性がいました。
作業着の胸にはどこかの会社のマークが、付いていました。
トイレの奥に立ったまま、こちらを向いてうつむいていたそうです。
父は小便を済ませ、何気なくその男性を見ましたが、
先ほどからその場を動いた様子がありません。
瞬間父はあわててトイレから出て、「出たー」と
叫んで腰を抜かしてしまいました。
集まった仲間に抱えられ、社長室へ。
父の剣幕に、社長がしぶしぶ、このビルの建築中に
事故で死人が出たことを告げました。
父の見た作業着のマークは、その事故を
起こした人の会社のマークでした。
お坊さんを呼んでトイレでお経をあげてもらったそうです。
父はそれ以後その人を見なかったそうです。