探し物

怖い話

投稿者:いぼっちさん


母親が仕事で車移動中の事です。
片側2車線のその国道は、まだ日中と言う事もあり買い物い向かう車、
仕事で移動中の車、様々な車が行き交っていたそうです。
周囲には高層マンションや高層ビルも無く、視界に入るのは中央分離帯の低木、
歩道と路肩の境となる手摺り、その向こうに広がる住宅街。非常に見通しの良い国道です。
車の流れに乗り運転して いると、非常になだらかなカーブに差し掛かります。
カーブとは言え非常に見通しは良く、視界を遮る物は何一つありません。
その時母親の目に、歩道で佇む男の子の姿が飛び込んで来たそうです。
見た瞬間、人間では無い事が分かったそうです。
これまで幾度も霊を見て来た母親ですが、その時は非常にゾッとしたそうです。
男の子はジッと佇み、行き交う車を視線で追っていたそうです。
母親曰く「恐らく、自分を撥ねた人を探していたんだろうね。
あの手の霊はなかなか成仏し切れないからね」との事でした。

実は私の祖父の友人に警察官がおり、この話しを聞いた当時はまだ現役で働いておられました。
ある日その警察官が我が家に遊びに来た時、母親は尋ねたそうです。
「変な事聞きますけど、○○近くの道がコーナーしたところ辺りで最近事故がありました?」
そう聞くと
「うん、最近と言うかちょっと前に事故があったよ」そう返って来たそうです。
母親はそこまで聞くと、その先は聞かなかったそうです。
「見た男の子の特徴を言えば間違い無く一致するだろうけど、
別に事故の詳細を興味本位で知りたい訳でも無いしね」そう言いました。
この時、同時に母親から言われたのが
「アンタも霊感があるみたいだから注意しとくけど、
何かを探しているよう な仕草だったり、目を合わせようとして来る霊と遭遇したら、
絶対視線を合わせたらダメよ。もしアンタの身に何かあっても、今の私にはどうしてもやれんから」
との事でした。
これは、以前母親から聞いた話しから来ています。
それは、母親が学生の頃の話しです。
幼少期から非常に霊感が強かったらしく、
その事を心配していた祖父・祖母が母親を連れ
知り合いから紹介してもらった霊媒師の元を尋ねたようです。
そこで母親が言われたのは、
「大丈夫、お嬢様には非常に強い子供の霊がついておられます。守護霊様です。
どうぞご安心下さい」との事だったそうです。
そして、こうも言われたそうです。
「是非修行をしませんか?(除霊をする)それだけの力 をお持ちです」
母親は根拠は無いながらも
『恐らく体力もそうだろうけど、生命力も消費してしまうのではないか』
そう思い、それを断ったそうです。
そういう過去があり「今の私にはどうしてもやれんから」との言葉になったのだと思います。

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