引き戸が開いた

引き戸が開いた 怖い話
引き戸が開いた

引き戸が開いた

投稿者:ぺり公さん


思い起こせば私は、子供の頃から怖い話を聞くのが大好きでした。
それで、その日も友達の家に4人で集まって、
自分たちの知りうる限りの怪談を語り合うという、
「プチ百物語」とでもいうものをやっておりました。
同い年の私のいとこの話が、 クライマックスに差し掛かっていたときのことです。
「そうしたら、ふすまがひとりでに開いてネ・・・そこには長い髪の女の人が・・・」
その瞬間!!
ガラガラガラァー!!
と、 部屋の引き戸が思いっきり開きました。
あまりのタイミングにみんなひっくり返って
「ぎゃーっ!!」
すると開いた戸の向こうは、灰色の煙が一杯なのです。
え?!火事?! と思って良く見ると、煙なんかどこにもない。
「誰?おかあさん?おねえちゃん??」
そこの家の子が確かめに行きましたが、 家の中には私たち以外誰もいません。
おびえた一人が泣き出し、
「あんたのいたずらでしょ!」
「違うもん!」
と、怖さのあまりケンカ状態。
私たちが座っていたところから 引き戸までは距離が充分あり、
誰の仕業でもないことは明らかだったのです。
私は他の子たちに
「煙がなかった?」
と聞いてみました。
「なかったよ」
「何もなかったよ?」
・・・でも、泣いていた子が一言。
「煙じゃなかったよ・・・真っ黒い人が立ってた」

ガーン!
今となっては、良い思い出の一つです。
んなわけないけど・・・。

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