投稿者:タンバリン小僧さん
あれはもう15年位前の話しです。
女の子をひっかけて、ちょっとしたしくなってから
(三日目ぐらいかな) 犬鳴峠につれていきました。
私自身それまでもよく行ってましたから、 いつものとうりに、
旧道入り口から反対の出口まで二人で 歩いていこうとしてました。
ときどき旧道の反対側から人の声はするのですが、誰もいないのは確実です。
深夜だし、車のヘッドライトもありませんでしたから。
でもそれはいつものことでしたから、 気にしないで旧道を二人で進もうとしました。
すると彼女が、
「なんか行きたくない」
とだだをこねます。
大丈夫、大丈夫といいながら私は手を取って旧道の反対側まで行きました。
当然人も車もありませんでしたが、
今日も特に何も起きなかったなあと思いながら旧道を引き返し家に帰りました。
一ヶ月ほど後、(もっと親しくなってから)犬鳴峠の話題になりました。
私は
「おまえ犬鳴に行ったとき、えらいびびっとたなあ」
と言うと
「 うん、だってあのときトンネルの向こう側の天井から
服がぼろぼろの女の人がぶらさがっとたもん」
と言いました。
「そんなことなら早く言えよ、俺だっていかねえよ」
と心のなかで思ったものです 。