山が泣いている

怖い話

山が泣いている

投稿者:じゅんさん

199号線沿いの海岸で友達3人とトランペットを練習に行ったときのはなしです。
雨が降っているわけでもなく 風が吹いているわけでもなく…..
北を(海)向いて歌いながら~の、 お喋りしながら~の時間を過ごしてました。
急に3人の内の1人が、
「あの山泣いてる。」
と、いったんです。
不気味な感情を抱きながら、
次の日の朝 その山を目指しました。午前10時ごろです。
「山」と、言っても盛り土のような場所でした。
階段を登り、その場所を目指しました。
そこには誰の手も入っていない ボロボロの木造の平屋がありました。
背の高い雑草に覆われて、 その「場所」はポツンとありました。
そこは「死の臭い」が、漂っていました。
100坪程の土地に雑草が覆い茂り、 ボロボロの洗濯物はそのままだし、
窓はやぶれ、だれにも関心を持たれずに。
と、いった感じでした。
ただ、
「きみわるい」
と、感じた俺は そこから離れようと来た道とは違う方へ、 2人と別れました。
20mほど歩いた所に、井戸がありました。
しかも、その上にいかにも「手作り」な、 鳥居が傾いてありました。
「やばい」
そう思いました。
そこに、白い服を着た女性が手招きをしている「気」が しました。
「みえた」といえば「みえ」ましたし、 「妄想」といえば「妄想」です。
弱虫だった俺は2人になにも言えず、そこを降りました。
そして、 3時間後ほどたっていたでしょうか。
そこに行くきっかけになった「山が泣いている」と言った男に、
井戸があったこと、そこに女の姿を見たことをはなしました。
するとそいつは
「その女の人、右手を挙げて手招きしてたやろう?」
と、まるで、なにもかも、あたりまえのように喋りだしました。
俺はそいつに説明したときに、
「そこに女がいて、腕を組んでるように その井戸の向こうにたってた。」
と、言っただけでした。
「いや、それは違うやろう。」
と、絵を書き始めました。 完璧でした。

※じゅんさんからの絵

その後、 そこには行ってません。 今も在るか知りません。
私は正直、「霊」の存在を信じていません。
むしろ、否定しています。
でもどうしても、事実なんです。

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