投稿者:あんちゃんさん
有名な温泉地である別府、
別府市の外れに古くからある温泉街、湯平温泉がある・・・。
ある日、先輩とその彼女、僕の同級生ら計四人(同じバイト仲間)で
ドライブ(遊び半分の心霊スポットめぐり)を、
深夜1時にバイトを終えてすることにした。
大分の心霊スポットを3つほど回り、
幽霊マンションで帰ろうと言う事になった。
何も出なかったので、
「なーんだ、やっぱ、いるわけないんか」
という事で、その場を後にしました。
帰りの途中、ある看板が目に映りました。
「湯平温泉」??
それまで、聞いたことのなっかた名前だった為、
興味が湧いてきました。
「暇だし、行ってみるか!」と、車を走らせました。
遠くに、温泉街の灯かりが見えてきました。
しかし、もう時計は、深夜の2:30を指していました
開いてる店も無ければ、人は当然居る訳ありません。
ぼくたちは、まだ先に行けそうだったので、
そのまま上に進むことにしました。
10分ぐらい走りました。
民家も無くなり、辺りは真っ暗。
するとその時です。
真っ直ぐに通ったアスファルトの道の先に、
薄暗く浮かび上がるトンネルのようなものが、見えてきました。
しかし、その時の僕達はそれから起こることを、知る由もありません。
当然、先ほどと変わらず車中で騒ぎまくっていたのです。
トンネルの中が見えるくらい近くまできました。
中は、反対側の出口付近に4個程度
オレンジの光を頼りなく放っていました。
そのくせ長さは、400m~500mはゆうにありました。
「なんだ?こんなとこ知らねーな。」
先輩はそう言うと、
「ちょっとおりてみる?」と、車を止めました。
ぼくたち、四人は車から降りると、真っ暗なトンネルの中を、
ジッポのライターを片手に歩いて進みました。
聞こえるのは、風の「ゴ―――、ゴ―――」という音だけ。
それもそのはず、ここから一番近い民家でも4kmはあったからです。
歩きつづけて、ちょうどトンネルの半ばほどに辿り着きました。
さっきの盛り上りは何処へ行ったのやら、
気が付けば皆、黙り込んでしまっていました。
先輩の彼女は、先輩にしがみついたまま。
僕と同級生の友達は、落ち付かず、
急いでタバコに火をつけました。
あまりにも気持ち悪かった為、さすがの僕たちも口々に
「もう、そろそろ帰ろうか。」
などと言い始めました。
そして、車に戻ろうとした瞬間、さっきまで聞こえていた
「ゴ―――、ゴ―――」といっていた風の音が、
「ア―――、ア―――」と低い男のような声に、一瞬聞こえたのです。
僕たちは、一生懸命走りました。
そして、車に戻るとエンジンを急いでかけ、走り出しました。
しかし、帰るにはまたそのトンネルを通り、
来た道を引き返すしかありませんでした。
猛スピードでトンネル内を走り抜けました。
車のバックミラーに写るトンネルもだんだん小さくなりました。
僕はほっとして力が抜けました。
皆もホッとした様子でした。
だけど、運転している先輩だけは違いました。
「どうしたんですか?肩に力が入ったままですよ?」と、
気を利かせて言うと、先輩は、
「おまえら、トンネルから離れるとき、後ろ見てなかったのか?」
ぼくは唯一先輩以外に、
最後までバックミラーを見ていたから言いました。
「何も見えませんでしたよ?」
先輩は、「ほんとの最後まで見てなかっただろ?」といいました。
そういわれれば、最後まで見ていなかったので
「本当の最後までは、見てませんでしたよ。
途中でバックミラーを見ませんでした。
ホッとしていましたから。」
そう言うと、先輩は
「多分、おまえが バックミラーから目をそらした時に、
俺は視線をバックミラーに向けた。
そしたら、さっきまで車を止めていた場所に人影が、
数人うろうろしてたぞ・・・」といったのです。
僕たちは、それから一言も話さなくなりました。
あれから、もう3年・・・ あれ以来、
幽霊スポットと言われる所に行く気がしません。
もう二度と、行きたくないです。