投稿者:hiroさん
これから書くことは、僕が中学1年のときに
母が実際に体験したことです。
僕を含め家族全員がその場に居ましたが、
なぜか母だけがそれを体験しました・・・。
あの日は・・・いつもと変わらない一日を過ごし
、いつもと変わらない夜が訪れました。
当時、私の家では家族は揃って一つの部屋で寝ていました。
(ちなみに僕の父は漁船員で、その時は航海中で留守でした)
そして家族全員が寝静まった深夜に、
母に「それ」が起こったんです・・・。
母もその時には熟睡していましたが、
夢を見ていたらしく、またその夢が
「・・・山道を歩いていたら、誰かに追いかけられ、
必死に走って逃げるんですが、
追いつかれてとうとう足首を握られてしまい、、、」
という、女性にとってかなり怖い夢だったようです・・・。
「夢」というものは、眠りが浅い「レム睡眠時に見る」と、
聞いたことがあります。
そして「夢」の内容は、その睡眠時、実際に発生・体験してい
た「音」「出来事」にも左右されるものと聞いています・・・。
母は真夜中に「ハッ」と、悪夢から目覚めました・・・。
起きているのは自分だけで、子供達は寝静まったままでした・・・。
そして母は自分に呼吸が乱れ、
多量の汗をかいていることに気づきました。
なんだか・・・すぐは眠れそうもないなあと思いました。
何より「あの夢」をまた見たくはない、、、、、、、
まず汗ばんだ服を着替えたいと思い、
上半身を起こそうかと思った母は、
自分の下半身に何か違和感を感じました。
次の瞬間!それは悪寒に変わりました。
「わ、わたしの、あしくびを、、、だれかが、つかんでいるッ!?」
母はとっさに右を見ました。
そこには子供達が寝ています・・・。
「みんないる!」
これは子供のイタズラではない・・・。
どうか夢であってほしい!という思いは、
今、足首が握られているという、
現実の痛みに否定されました・・・。
「怖い!!!」
怖くてとても、正体を確認することができないでいましたが、
自分の右側には子供達がいるということに勇気づけられ、
思い切って布団越しにそれを見てみました。
母はその部屋の左側に寝ていましたが、その「腕」は、
ちょうど母の足もとのふすまのすきまから伸びていました。
母にはそれが「腕」に見えましたが、ただ、
それに関節はなく、蛇のように曲がっていて、
まさしく「伸びている」と言う表現しか思い浮かびませんでした・・・。
廊下の先から腕を「伸ばして」、母の足首をつかんでいるんです!!
母は、恐怖で体のふるえが止まりませんでしたが、
勇気を振り絞って「ふすま」の戸を、
その腕が戸と柱で挟まるように、ぎゅっと両手で押さえつけました。
こうすればきっと腕を引っ込めるハズ、、、。
・・・その時です!!
奥の部屋の方から悲鳴のような叫びが。
「グギィィヤァアァァ!!!!!!!!!!!!」
奥の部屋というのは、今、寝ている部屋から
一つ部屋を挟んだ所にある部屋で、
ここから廊下を通ってでは、4、5メートルはあります!
「この腕」はその距離を伸びているんです!!
奥の部屋からは悲鳴は聞こえましたが、
相変わらず足首は、捕まれたままです。
母は一人ではどうにもならないと思い、
となりで寝ている「子供達」を起こそうとしました。
しかし、いくら揺すっても子供達は起きるどころか、
先ほどまで聞こえていたハズの寝息さえまったく聞こえませんでした・・・。
「自分でやるしかない!」
母にはそれしか選択がありませんでした。
やるといっても、ふすまを押さえ続けることが精一杯でしたが。
どれくらい長く押さえていたのか、僕には分かりませんが、
母は夜がこの時ほど長く感じたことはないといっていました・・・。
そして次の日の朝。
そのままの状態で母はいつの間にか気を失っていて、
その異常な状態に驚いた子供達に起こされました・・・。
「あれは、夢だったの?、、、」
いえ・・・決してこの夜のことは夢ではありませんでした。
なぜなら母の足首には、掴んだ指のあとが、
赤く「くっきり」と残っていたんですから・・・。
余談:実家は、昔は墓地だったところを埋め立てて建てられました。
もちろん、墓石や骨壺は全部、別な墓地へ移動されたとのことですが・・・。