投稿者:シヴァ3号さん
ダンナの勤める会社にバイトで斉藤くん(19歳)と言う
イマイチ仕事の出来ない男がいる。
彼は富士宮市出身で年数回実家に帰る。
その時の話である。
そう、昨年の夏、盆休みが10日間あった。
例のごとく実家に帰り仲間に会いヒマつぶしに
樹海白骨発見ツアーを仲間8人で行った。
これは、樹海で白骨を発見したら仲間から
一人頭2000円もらえる!
という内容で8人で一人だけ見つけた場合は
16000円ゲットできるのだ!
証拠写真ももちろん撮るのだ。
日頃、金欠に悩む斉藤はその話を聞きがぜんハッスルし、
ましてや心霊経験まるでナシというまるで平和な男だ
(幽霊なんてバカじゃない?思いこみこそが幽霊の正体だ!
そう信じてはばからなかった)
この日をどちらかというと楽しみにしていた・・・
いよいよ、仲間8人集まって探検開始。
中には女も数名いてやたらキャーキャーうるさい。
まだ何も出ていない前からこれだ。
アホくさ。そう感じ。
探検を開始して20分仲間達よりはずれ一人
別方向へ向かった。
危ないからなー近くに誰かいるか確認しろよー
仲間の声を振り切り奥へ奥へと進んで行った・・・。
ほうらみろ林の中はごみしかないじゃないか!
(実際ごみが多いらしい)
人が随分来たんだ、まあゴミがたくさん続く辺りまで行ってみるか・・・
お?誰かいる。なんだJか?
いいや、緑のリュック?グレーのズボン?
見た事無いヤツだな・・?
なんだかおっさんくさいな。まあいいや。
ちょうど一人で心細くなった斉藤はその人の後を付いていく事にした。
その人は奥へ奥へ入って行く。
斎藤は走ってついていく。もしかして自殺に来た人では?
ヤバイもうここで引き返そう直感的に怖くなった。
くるりと背を向ける。
すると、遠くにいたあのおっさんが目の前にいるではないか!
あああ・・・う・・・うわ~!!!
彼は腰をぬかすくらい驚いた。
なんとおっさんの顔は黒味がかった青紫で
パンパンに腫れ上がりぎろりと目があったとたん
プっと消えたのだ!
思わずシリモチをつきへたりこんでしまった斉藤は、
携帯をとりだした。
ぶるぶる震える手で電源を入れると
なんと電波が届かず通じなかった。
思わず立とうとして近くのひもに手をかけた。
その時あるものに気づいた・・・ふと見るとそこには
腐った饅頭にひからびて土色の茎だけの花の束、ビン・・・。
といえばお供え3点セット!
そして彼の手をかけたモノとはさっきの男が
背負っていた緑のリュックであった・・・・・。
しかも色は褪せて変色し緑ではなく赤茶けた緑で
ぼろぼろのリュックでひっぱった時ぷつん・・と切れた。
斉藤の恐怖は想像を絶するものだった。
彼は公道に出るまで約2時間半さまよった。
通りがかりの人に拾ってもらい一命をとり止めた。
斉藤はこの時腰を強打したばかりか39度の熱に3日間うなされ
サイアクの盆休みを送ったのであった・・・・・