投稿者:屋敷サカエさん
仕事で伊豆へ出掛けた時の話です。
会社の営業車に同乗して伊豆半島の有料道路を南進。
トンネルを幾つも抜けた時に肩に重量感が…
「気のせい!気のせい!」と思っていた時、
運転手の足元から「う~う~」女性のか細いうめき声!
二人で顔を合わせながら
「…な、何か言った!」その瞬間
車はエンスト!幸い後続車は無く追突されませんでしたが…
気を取り直し再出発。
警戒しながら何とか海岸線までたどり着きました。
指定された場所に荷物を届ける為、
曲がりくねった道を進むと海辺に数件の旅館。
運転手は「鍵を借りてきま~す」と、
隣の旅館へ…私は玄関前に置いてきぼり。
目的の旅館は4階建てでかなり古っぽく、
玄関には人影が見当たらない。
視線を1階から徐々に上に移すと、
3階の一ケ所だけカーテンが半開き。
他は全部締まっているのに何故?止せばイイのにそこを凝視…
薄暗い室内(まだ4時頃)の半開きのカーテン脇に人影が。
こちら覗き込んでいるようにも…奥に消えた時にカーテンが微かに動く。
戻ってきた運転手に
「中から開けてもらえば!メチャ見てたでココの人」
と言うと「あれ?ここは1年前に廃業して誰も居ないはずですけど」
「……で、こん中に入るの?」
「当然!仕事ですから」
「……あっそ」
玄関の鍵を開けて中へ。
外は蒸し暑いのに、建物の中はひんやり。
…っていうか寒い!!
荷物を抱え、奥の広間に積み上げているとフッと違和感が。
今、荷物を運んでるのは2人だけのはず、
でも足音が1人分多い~2階からは歩き回る足音が
頻繁に聞こえてくる。
そして階段をゆっくり降りてくる音まで…
私達は、尋常ではない速さで残りの荷物を投げ込み、
ダッシュで建物の外へ!
後ろを振り返らずに車を発進、鍵を返し
伊豆の山道を猛スピードで走り抜け、帰宅の途に付きました。
幸い無事に帰り付く事が出来ました。
この時の無理が祟り、私は腰を痛めましたが……