投稿者:いぬさん
これは僕が中学だった時の話です。
当時僕のいたクラスでは肝試しがちょっとしたブームでした。
ある時友達のYが肝試し旅行をしようといってきたので
僕は友達Tも誘い3人でいく事になりました。
旅行といっても自転車で近くの心霊スポットに行き
そこで一夜を過ごしてくるというものでした。
そこは地元では有名な所です。
昔、女性が自殺した大きな廃屋で
なぜか動物の死体が散乱していると噂がありました。
そして実際にいく日になりました。
しかし他の二人がこともあろうに同時に風邪を引いてしまいました。
Yの見舞いに行ってみると口々にYはこう言うんです。
「は?は?・・・は?・・・は?は?は?」
なんと表現していいのか訳のわからない事をず~と口にしているんです。
なぜかYの親には聞こえてないらしく、僕が
「Yは何をさっきから言ってるの?」と聞くと
Yの親は「何を言ってるの?」と言うばかり。
そのうち気味が悪くなってきました。
次にTの家に見舞いに行きました。
するとTまでもが「は?は?は?・・・は?・・・は?は?」と
訳のわからない事を言っているのです。
これもまた僕にしか聞こえないようです。
数日後二人は元気になり学校に登校してきました。
僕は二人にあの時何を言っていたのか尋ねました。
すると二人から返ってきた言葉は「は?何の事?」というものでした。
今よく思い出してみるとあれはこう言っていたように思います。
「私の家にこないで・・・殺される!殺される!」
と、後からわかった事なんですがその家に住んでいた女性は
自殺ではなく何者かによって殺されたといいます。
なんでもその女性を殺した犯人はいまだにその廃屋にいて
獲物を狙っているんだと言います。
もしもあのまま肝試しに行っていたら
僕たちはそいつに殺されていたのかもしれません。
あの女性の霊がYとTに風邪を引かせて僕たちに
肝試しをやめさせたのだと考えると
なぜか怖い事なんだけど心がほっとします。
ちなみにあの殺人犯、どうやらあの廃屋で死体で発見されたそうですが
今も地縛霊になって獲物を狙い続けているらしいです。